ボケ、という植物を買った。
ぼけ、木瓜、バラ科ボケ属、果実が瓜に似ていることからこの漢字が当てられたらしい。 梅の花に似ているので梅と同属かと思っていた。 花屋さんは元旦までやっていたところが多く、年始の始動はゆっくりのようだ。 キャビンアテンダントの職業イメージが華やかである一方、重労働が多い大変な仕事である点において、花屋の店員にも同様のことが言えると思う。 私の知っている花屋の店員さんは総じて可愛らしい女性が多くて、にこやかで優しいけれど、大量の草花の管理は間違いなく重労働であるし、冬の凍てつく水や、植物の棘に攻撃されていることだってあるだろう。 今はどうか知らないけれど、私が幼かった頃の「大きくなったら何になるの?」というよくある質問は、「スチュワーデス」や「花屋さん」というのが多かったような気がする。 私は幼心になりたいものってなんだと思いながら、全然そんなつもりはなかったけれど、至極適当に、「花屋さん」と答えたことがある。 何にせよ、職業イメージの華やかさのみでキャビンアテンダントも花屋さんも務まらない。 いつもの花屋さんはいつもよりも品ぞろえが寂しかったのだけれど、何か植物が欲しかった。 そこで目に留まったのがたくさんの蕾を付けていくつかちらほら花を咲かせている木瓜だった。 木ものを買うのは初めてである。 黄緑色の小さくて硬い蕾はなんとも可愛らしくて、ほんの少しピンク色をちらりのぞかせている。 つぼみは愉しみ、と今でも象徴的な意味で思っている。 つぼみのままでは、とも思っている。 ベランダにいるブルーデイジーの隣りに。 葉っぱよりも、茎よりも、木や枝にはどくどくと血が動いている感じがする。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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