今年はうるう年である。
今日は2月29日である。 食料品や日用品を買うのはほとんど私の役目で、その家計費を私が握っている。 月の予算を決めていて、それを30で割った金額をおよそ一日で使える金額としている。 日割り目標を持って、それが達成されていれば2月は余裕が出るし、31日ある月は足が出る。 ちなみに、月の予算は家族三人分の暮らしでカツカツな設定である。 ここ最近の物価上昇に伴い、家計が逼迫していることを夫に大げさに嘆くと、夫が出してくれたりする。 もう少し予算を上げれば良いのだけれど、まあこれで良いのだと思う。 最近は繰越金もほとんど出ないのだが、繰越金が出た月は次月に繰り越すわけではなく「おへそくり」と書いた封筒に貯金している。 こんなところに書いているくらいなので、特段秘密事項ではない。 今月は少し繰越金が出そうなので、週末に実家に帰る費用に一部充てさせてもらうことにしよう。 さて先日。 私が新卒で入社した会社の同期会なるものが催された。 私が大学を卒業したのは2007年。 就職活動がすこぶる下手だった私を採用してくれたのは、当時イケイケのIT系の会社であった。 WEB制作、広告、映画製作なども手掛ける会社だった。 ちなみに現在は買収されてその会社はなくなっている。 同期は67人もいて、本当に皆うるさい奴らだった。 67人もいるとゆるやかに、そして強固に、グループができていった。 私は昔から、何も示し合わさないのにいくつかのグループが組まれていく様がとても苦手だった。 しかしながら無論1人でいることもできず、どこかには所属しなければならないプレッシャーと、所属しないグループのスタンスや価値観に気圧されるのが嫌だった。 また、所属するグループでは所属グループのアイデンティティも自らのものにしなければならないような空気も嫌だった。 まあそれもこれも、誰かが悪いわけでは全然なく、私が勝手に抱く被害妄想のようなものだけれども。 しかし、会社はもちろん仲良し会ではないので、自らの仕事を得て邁進することによって、同期とのやりとりも幾分学生時代よりは楽に感じた。 それに、若手のIT会社の合併分裂スピードは目まぐるしく、同期は皆年を追うごとに散り散りになっていった。 私は新卒入社の会社を早々と2年半で辞めたのだが、その後かつての上司が起業したベンチャー企業で少し働いたりしていた。 そこに数人の同期メンバーがいたりなどしたが、10年ほど前にはその会社も辞めて書道家として独立したので、その後はほとんど連絡を取っていなかった。 「同期会をやるよ」と連絡をもらって、「あぁ行かないかな」と思ったのだけど、なぜ自分がそんな風に拒絶を即決しようとするのかが引っ掛かった。 私が思い至ったのは、かつて抱いたあのグループへの違和感には、そもそもグループへの憧れのようなものがあったからではないのか、ということだった。 私だって心の底から彼らと仲良く楽しみたかったのではないか。 あぁ、ならば行ってみたいかもしれない。 不意にこのことを相談した方からは「2杯ひっかけてから行けばよい」とアドバイスをいただいた。 夫の帰りを待つ間に本当に2杯の焼酎ハイボールを家でひっかけた。 いざ。 会場に着くと、ノリの良い同期がワイワイと話していて、途中参加の私も温かく迎えてくれた。 そうだ、この感じ。 かつて私が所属していたグループの子はおらず、適当な席で、近況などをお喋りした。 22歳から39歳、17年の時が過ぎていたが、案外皆その姿は変わりが無かった。 ベトナムで起業し大社長になっている同期もいれば、転職した先で元々上司だった人を部下に従えている出世頭の同期もいた。 5人の母になった同期はその場には来られなかったけれど、ビデオ電話をつないだ。 ユーチューバーもいれば、沖縄に移住した同期もいた。 そして私は書道家になったし、母にもなった。 一次会、二次会、そして三次会。 帰宅したのは朝の5時半過ぎだった。 また同期会があるなら行くだろうなと思った。 企画者はたいそう骨が折れたことと思う。 感謝である。 <YouTube> お酒の筆文字ロゴを見てあれこれ喋ろうwith板谷栄司with鯖大寺鯖次朗 しょうゆや老舗和菓子の筆文字ロゴを見てあれこれ喋ろうwith板谷栄司with鯖大寺鯖次朗 <note> 【リアルイベント告知】いけばなと墨流しの体験(2024/3/20(水・祝)24(日)明治神宮前) 三浦しをん「墨のゆらめき」を聴いてみた【Amazonオーディブル】
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今年の初め、もう少しブログの更新頻度をあげようとか何とか言っていた気がするが、あれよあれよと日が過ぎる。
あれよあれよ、だ。 あれよあれよ。 三連休、小中学生だった頃、サラリーマンだった頃には待ち望んでいた。 高校時代は土日も部活に明け暮れていたし日々が楽しかった記憶があるのでそんな感じはしなかった。 大学時代はもはや三連休の意味がよく分からないほどに休みだった。 今は三連休は少々気が重い。 私は休日に仕事もあるが、その間は息子を夫に任せることになり、その重荷感を思うのも多少心が苦しい。 また仕事が休みであれば家族3人で出かけるなどするのだが、基本的には息子の行きたい方向へとほとんど任せて進むため、電車に乗りに行くことが多い。 各駅停車などに乗って、ひたすらに電車に乗るのはまだ良いのだが、先頭車両で進行方法を見るために抱っこし続けるのは辛い。 彼は地上を走る電車に限らず、地下鉄の暗闇も進行方向を見たいと喚く。 彼が楽々運転席越しの窓を覗ける身長になるにはあと何年かかるのだろうか。 ちなみに、和光市から元町中華街まで延々と乗り続けて往復したこともある。 暇なのに、スマホを見ることも、オーディオブックを聴くことさえもかなわないのが、子連れ移動の悲しいところだと常々思う。 しかし私は、息子に対して何かしら偏りのある人間に育ってほしいと思っている節があって、熱中できる好きなことを極力妨げたくないという思いがある。 電車好きなどはいて捨てるほどいるが、何であれそれを好きなだけ堪能・追求できるのは、この世に生まれてきた大きな喜びの一つであろう。 もちろん親の都合にも合わせて、息子の好きを妨げることも多々あるが。 友人の息子さんが一時黄色にハマって、全身靴下や靴まで黄色のものを身につけていたことがあるのだが、そのブームが過ぎ去ってしまって友人はやや悲しく思ったそうだ。 それは私の偏りのある人間に育ってほしいという思いと同じのようで、たとえそれが今何の役にも立たず、その上将来何の役に立たなかったとしても、自分の好きなものを自分の思うようにこだわり続けられる人であってほしいと願うからだ。 ある見方をすれば、人と違うなんてことはそうそうないものだ。 個性的な芸術作品を作ろうなんざ、どれだけの人と比べてどれほど異なることが成せるのか。 そういう意味ではちょっとくらい変であってほしいし、ちょっと変であっても何にもならないのだ。 ならば、熱中できるものがあるその幸せを幼い頃から存分に嚙み締めてもらいたい。 しかしながら、言わずもがな私自身が熱中できるものがある幸せな人のひとりであって、それは他人の世話とは相容れない。 私自身の喜びに向かって、息子を放っておいてしまっていることも日常に多々あるだろう。 人間関係とは、親子であっても難しいものである。 三連休が終わる。 元気に保育園に行ってくれることこそが、日常の平穏の源である。 そして、息子は、一点の曇りなく、とってもとってもとっても可愛いのである。 ※春のいけばなとのワークショップの募集が始まりました。 <花と書の春のワークショップ> 3月20日(水・祝)と24日(日)の10時または13時から、明治神宮前にて <YouTube> しょうゆや老舗和菓子の筆文字ロゴを見てあれこれ喋ろうwith板谷栄司with鯖大寺鯖次朗-#067 お酒の筆文字ロゴを見てあれこれ喋ろうwith板谷栄司with鯖大寺鯖次朗-#066 <note> 三浦しをん「墨のゆらめき」を聴いてみた【Amazonオーディブル】 老舗お菓子店の筆文字ロゴまとめ(其の参) Amazonの聞く読書、オーディブルを活用し始めて数か月が経つ。
使用にはムラがあるけれど、今のところ月額1500円を解約しようとは思っていない。 再三にわたり書いてきたが、読書コンプレックスの私にとって、本というものにどんな形であれ触れていられるのは嬉しいことだ。 未だ小説には手が出せないでいるが、エッセイや何かしらの学術本などをざざざっと聞いている。 この、ざざざっと聞く、ということが肝だ。 私が本が苦手な理由のひとつに、一々表現方法が気になってしまうという点がある。 作者はこんな言い回しをするのか、良いなあ、なんて思っているうちに頭が本の内容から離れてしまって、ついでに、いつもは気にならないサーキュレーターの音が気になったり、乾いたバスタオルを片付けたりし始めたくなってしまう。 本物の読書の場合、もうここで終了なのである。 しかし、オーディブルの場合、自動で読み進めてくれるため前進力には事欠かない。 もちろんオーディブルで聴いていても、他のことが気になって聞いていなかった、という事態は多々起こる。 それでもこちらがストップボタンを押さない限りはその読みを止めてはくれない。 オーディブルを始めたときはそのことが気になっていたのだが、だんだん諦めもついてきて、本を「読まないよりまし」「聴かないよりまし」というくらいで付き合えるようになってきた。 私はオーディブルで聴いた本の何パーセントを理解しているのか、ほんの数パーセントのように思うが、それでも良いのである。 それに、今のところ苦労して聴いているわけではなく、「本の続き聴きたい!」と極めて能動的な状態であれていることも好ましい。 言葉の端くれ、知識の端くれ、本の印象、読み手の声の印象、オーディブルというサービスについて、そんなものが断片的に私の中に入ってくればそれで充分である。 実際に、聴いた本の内容を要約してそれを知らない他人にお勧めする、というような行為は難しくても、「砂糖は薬として用いられていたんだって」(『砂糖の世界史』岩波ジュニア新書)のような一文だけ会話に取り出せれば十分なときもある。 そして、その端くれを端くれのまま頭に置いておくことができれば、次に別の端くれがやってきたときに稀にその端くれ同士がくっついたり共鳴したりすることがあるものだ。 端くれをただの端くれとぞんざいにしてはいけない。 端くれを端くれとしてただ持っていることが、自分なりに社会という大海原を航海するということに他ならないのではないか。 ところで、今聴いている、ダ・ヴィンチ・恐山こと品田遊氏の「キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々」という本が至極面白い。 私はインターネット上で活躍する恐山さんの大ファンなのだが、その彼の日記、短文集である。 彼に共感を抱く私は、自分自身の変さについてお墨付きをもらったような気分になる。 自分が”変”であることに懐疑的であるが、やっぱり”変”なのかもしれなくて、”変”に憧れてきた私にとってちょっと嬉しいことなのである。 彼は真面目で、謙虚で、鋭くて、機知に富んでいて、良いことを言う。 この後の電車移動でも続きが楽しみである。 <YouTube> 《ショート動画》ヒポポタマス AIド素人でも楽しい!書道家もAIを使ってみる <note> 有名飲食チェーン店の筆文字ロゴまとめ(其の弐) 去年私を熱狂の渦に巻き込んだヤフオクであったが、今はメルカリも併用している。
そして、買う側だけでなく、売る側にも参戦してみている。 ヤフオクって何、メルカリって何、というのは以前の私も同じだったので説明しておくと、要は素人でも参加できる中古品売買サイト、フリーマーケットである。 ヤフオクとメルカリの大きな違いは、ヤフオクは基本がオークション形式の入札制で値段が上がっていく、メルカリは決まった価格で早い者勝ちで即売されることである。 メルカリは値下げ交渉もできる仕組みで、気軽に希望価格を登録できたり、直接コメントで交渉することも可能なので、ヤフオクは始め値から上がる仕組み、メルカリは始め値から下がる仕組みの違いと言っても良いかもしれない。 これまでに、本棚2つ、紙を置く棚2つ、イス4脚、花瓶2つ、水差し2つ、フリーカップ2つ、グラス2つ、大きなクッションなど、書き出してみればかなりの数のものをヤフオク・メルカリで買ってきた。 どれも気に入っていて、インテリアの決め手になっている。 売ったのは、息子のサイズアウトした服数着、使っていない花瓶1つ、ワンピース1着、マグカップ1つ。 やはり有名なブランドの名前が付いている物は売れやすい。 送料を入れれば儲けは300~1500円くらいなものである。 一番最初は、品物と段ボールサイズを確認せずに出品して赤字になってしまった。 時間も手間も取られるので、どこまで売る側をやるかは考えものだ。 まあ売るものがそんなにないので、長くは続かないだろうけれど。 しかし、売り手がいて買い手がいてインターネット上でやりとりをして実際に物が運ばれていく、そんなことの体感が初めてで新しい気持ちをいただけている。 こんなネット上のフリーマーケットサービスが無ければ出会わなかった人たちが、物をやりとりを通じて、ほんの少ない息吹だけれど、そんなものまで送られる。 丁寧な人は梱包に「Thank you」のシールが付いていたり、手書きのメッセージが入っていたりもする。 私も、筆ペンで「ご購入ありがとうございました。またご機会ありましたら宜しくお願いいたします」と添えることにしている。 そして、これらフリマサービスの優れた点は宅配の簡便さにもある。 郵便局、ヤマト運輸と提携していて、双方の住所を記入する必要がない上に、双方の住所を明かすことなく送ることができる。 伝票はアプリのQRコードを読ませるだけで、店頭での支払いの必要もない。 郵便局、各コンビニから発送できるので、届くのも早い。 そしてなんと、全国一律の料金で可能なのである。 その上、それも通常の料金よりも少し安い。 実に良くできている。 あと、エコ的観点からも良いと思っている。 誰かが使わなくなった物を、双方が合意する値段で交換して、またその物を誰かが使う。 物は変わらないまま移動して、生き続ける。 エコだからとエコバックを大量生産するようなことが私はとても嫌いで、エコしたいのであればある物をそのまま使うのが一番だと思う。 まあこのことは、規模などを含めやり方次第とも言えそうだけれど。 物を売る、サービスを売る、ということはそんなに簡単なことではない。 けれど、その入り口として、もう少し息子が大きくなったら、このフリマサービスをちょっとやらせてみたい気もする。 <YouTube> AIド素人でも楽しい!書道家もAI画像生成を使ってみる <note> 有名飲食チェーン店の筆文字ロゴまとめ(其の壱) |
勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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