なんとまあ濁流のごとく過ぎる日々か。
息子の体調は全快と言っていい。 咳も鼻水もないぴかぴかの彼を見ているのはこちらも心地よい。 一時去年の9月にまで後退してしまった体重も大分と戻っているのではと思う。 相変わらずの偏食だが、ごはんと唐揚げはこちらが驚くほど食べるし、アイスクリームやラムネなどよく食べる。 何でも良い、だがカロリー不足だけは良くない。 保育園では頑張って半分くらい食べているとのこと。 嫌いなものは食べたくない、得体のしれないものは食べたくない、普通の反応だろう。 まあでもしかし後者については、食べてみたら美味しいという体験が必要である。 口に入れるものへの警戒心が強いのは仕方がないが、少しずつ食べられる種類を増やしていってほしいと思う。 あまりに暑いので、2000円ほどの日傘を買った。 傘は邪魔だけれど、もはや帽子だけで防げる日差しではない。 今の折りたたみ日傘はワンタッチで開く。 たたまれた状態からボタンひとつで、ぶわっと開く。 このようなものは結構昔からあるらしいが、初めて使うと誰でもちょっと感動するのではないかと思う。 日傘は自分で日陰を作れる。 日傘から伝わってくる熱さとアスファルトからの照り返しがあるので、本物の日陰にはかなわないのだが、それでも直射日光でないだけかなりましだ。 日傘は女性のものというイメージがあるが、そんなことを言っていては身は守れない。 夫にも購入を勧めてみたら、使ってみるとのこと。 夜でも熱中症になるとか、プールの中でも熱中症になるとか、なんだか本当に世界は変わってしまったのだなあと思う。 このような暑さは、学生時代にモロッコに行った時のことを思い出す。 もちろん今の日本の最も暑い場所の気温よりも高い45℃くらい。 風は熱風で、それでやけどをしてしまうのではないかと思うほど。 現地の人が顔まで全身布をまとっている理由がよく分かった。 持っている水は忽ちお湯になり、喫茶店のオレンジジュースはどれもぬるかった。 そんなに暑いのに、冷房のある部屋の料金をけちって、冷房のない部屋に泊まった。 昼寝をしたらどろどろになって溶けるかと思った。 しかしながら、今のように熱中症という危機感には乏しく、特に身体の不調も感じなかった。 それは若かったからなのか、それなりに適応していたからなのか。 砂漠で見た星空やもぎたての葡萄の温かさ、どこにでもあるタジン鍋。 あのときの思い出話は、今になっても色が濃い目だ。 あぁ。 異国に行きたくなった。 <夏のワークショップ> 単発レッスン!自分の名前を筆ペンできれいに書こう!&夏のおわりのいけばな 8月20日(日)10時~、13時~ 8月23日(水)10時~、13時~ 私の方は単発のお名前レッスンを行います。初心者・未経験者でも大丈夫です。 <note> →【日本の数字の歴史】江戸時代の数字(その2) →現役書道家プロファイルVol.3【くろのぺん】 <YouTube> →名づけは創作!その意欲で世の中を良くしよう!黒木華、川村虹花、板垣李光人… - お字書き道TALKS #036 →【書道家・くろのぺんが考える「書道」】未完成作品の行く末とは- お字書き道TALKS #037
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水曜日の今日が私の週明けである。
息子の長い長い療養期間はようやく明けた感じがあるのだが、土曜日に幼稚園のイベントがあり、なんと3連休挙句翌日の火曜日までがお休み。 こども園は保育園機能と幼稚園機能が一体化した保育施設であって、保育園枠が満員のため、息子は致し方なく幼稚園枠で入園している。 保育園の子たちは全般無料、給食も延長保育も土曜保育も無料、そして振替休日も夏休みもない。 幼稚園の子たちは午前中無料、給食も延長保育も有料で、振替休日あり、土曜保育は認められない、そして夏休み期間は基本が休み、夏休み期間の預かり保育は全時間で有料である。 もちろん分かって入園しているのだが、このことを考えると何だか怒りが湧いてきてしまう。 行政は子育て事業に関してよくやっている、というのが私の大方の感想なのだが、このことだけはあまりに不公平でどうしても鬱っとした気持ちになる。 もちろん分かって入園しているわけで、そのせいで気持ちのやり場がない。 この期に及んで、この時代に幼稚園の仕組みが不必要な気がしてならない。 まあ息子はと言えば、丸一日おかあさんと過ごせるということで一日中にこにこしていた。 それは悪いことではないけれど、彼は一人でしたいことはまだ一切なくても、私は一人でしたいことが山ほどあるのだ。 でも、まあ、気を取り直して一緒に出掛けよう、外は灼熱だけれど。 飛行機を見に行きたいと言うので、羽田まで、東京モノレールなどに乗って向かう。 電車や電車のアナウンスや駅名が好きな彼は、東京は格好の遊び場である。 よく乗る路線の駅名はほとんど漢字で読めるし、各線のアルファベットまできっちり覚えている。 都営大江戸線は「E」、三田線は「I」、西武池袋線は「SI」、東急目黒線は「MG」とかいろいろ。 羽田空港に着いて、マクドナルドもピザも食べないと言うので、どうするのと聞くとお弁当を食べると言う。 YouTubeの動画か何かで見たのだろう。 紀伊國屋のコンビニがあり、おにぎりを1個ずつとお茶とリンゴジュースを買って、デッキに向かう。 暑すぎて飛行機を眺めるどころではないので、展望デッキは閑散としていた。 テーブルとイスがあったので、二人でおにぎりを食べ、セブンティーンのアイスクリーム自動販売機があったのでアイスも買った。 更に階段で屋上デッキに上れるとあり、息子はそれに行くと言う。 決死の思いで階段を上ると、確かに見晴らしの良い広々としたデッキが現れた。 やけどをしそうなほどの太陽光で熱せられた空気はまるでサウナのようだった。 これがサウナなら、水風呂を用意してもらいたい。 それならもう少しこの灼熱の空間にいても良い。 帽子だけでは太陽光が怖くて、持っていた手拭いをかぶった。 もう危険だから戻ろうと、息子を抱き上げて、急いで階下に行き、室内に入った。 もはやもう、日本は日本ではなくなってしまったような暑さである。 涼しければ何でも良いと思え、息子がうろうろと散策するのにしこたま付き合った。 そうしていたら、あろうことか、TOMIKAの公式ショップが現れて、息子は沼に吸い込まれていった。 公式ショップは割引もなく高い。 しかし、何か買えばその場から離れることも許される。 きらきらとした息子は、トミカの中でも値段の高いロングタイプを選んだ。 そう言えばこれといった誕生日プレゼントをあげていないので、誕生日プレゼントで進呈した。 その後もうろうろするのに付き合った。 空港内は広いし、涼しいので、特段文句はない。 買ったトミカを開けるなら電車に乗ろうと提案すると、すんなりと電車に乗った。 1号車の前面展望、抱っこでお見せし続ける。 若はお悦びじゃ。 その後、山手線に乗ると言うので乗るが、高輪ゲートウェイで降りると言う。 今日は何でも聞いてやるという覚悟の下、高輪ゲートウェイ駅で降りてみるが、何にもないのですぐに引き返した。 みなとみらい線に乗るとも言ったが、それはさすがに時間がかかりすぎるので別の提案をしたら意外にすんなり自宅最寄り駅まで帰ってくることができた。 たぶん、満足したのだと思う。 息子といると、色んな気持ちになる。 言葉にならない可愛さから、言いようのない苛立ちまで。 合理的や生産的、とは真反対の子どもとの生活だが、息子は私のことがどうやら世界で一番大好きなようで、それはこれまで私の人生で初めての経験で誇り高い。 <YouTube> →キラキラネーム禁止の法改正!?現行(2023年)戸籍に読み仮名の登録はない - お字書き道TALKS #034 →名付け(命名)の裁判騒動!年間約4000人が改名!名づけの法改正案とは? - お字書き道TALKS #035 <note> ⇒平安時代よりもっとずっと前に九九は生まれた!【日本の数字の歴史】(その1) ⇒【日本の数字の歴史】江戸時代の数字(その2) あれから高熱が下がらなかった息子は大病院送りとなった。
地域医療というのは棲み分けと連携が上手くされていて、今回の場合で言えば、5日解熱しない場合は町医者から大きな病院へと紹介状が書かれることになっているらしい。 大病院送りにということは入院になるという可能性も秘めている。 偶然にも同い年のお友達が、息子がかかる病院に入院したと連絡をもらった。 「病状も落ち着いていて子どもが電話をしたいと言うので電話しても良いですか」と言われて小一時間電話でお話をした。 こちらとしても有難く、入院になった経緯や手続き、入院の状況なども聞くことができてとても助かった。 調子の悪い子を連れて、勝手の分からないことをするのは酷だ。 少しでも現場の情報が有難い。 大病院は息子を出産した病院でもあり、家から徒歩10分ほどの場所にある。 バスもタクシーも間合いが悪く、猛暑の中、猛熱の彼を抱っこして病院に向かう。 8時半の診察開始にめがけて、8:25頃に病院に到着。 妊娠出産時に足繫く通った場所なのでまったく勝手が分からないわけでもないが、息子を出産したのはコロナ前だったので、コロナ後の物々しさがプラスされた病院はやはり勝手が分からなかった。 発熱者は病院内には入れず、守衛さんに待合を案内された。 後に医療事務の方が来て受付をしてくれた。 そこから待つこと何と2時間。 大病院の待ち時間は妊娠時に経験済みではあるものの、5,6日も発熱が続いて弱っている子どもを待たせる時間ではない。 どうにかならんのか!!と思うけれど、予約もわんさか入っている小児科の飛び入りの外来(また救急ではない)は、きっとどこもそんなものなのかもしれないし、単純に運が悪かっただけなのかもしれない。 ようやく呼ばれて通された場所は懐かしい場所だった。 2時間待ったので、そこからはスムーズに診察が始まった。 風邪で小児科にかかる度、私は手書きの病状経過を簡単に書いていく。 その場で説明漏れがないようにしたいのと、たいてい息子が大泣きしていて話し声が聞き取れないからだ。 問診、各種ウイルス検査、血液検査、点滴、レントゲン、喀痰吸引、やることは事前に伺っていた。 血液検査以降は保護者は出てくださいと言われて個室から退散する。 もちろん狂ったように泣き喚きしがみつく息子を思い切り引き剝がして退室した。 こうなることもお友達のお母さんから伺っていたので、私は比較的落ち着いて対応できた気がする。 事前情報は心の準備の上で大切だ、しかし、3歳くらいの子どもに全く初めての体験の事前情報を入れるのは理解力も想像力も乏しいのであまり意味がない気がする。 当事者及び関係者は全力を出して、何とか頑張って息子の手の甲には点滴の針が刺さった。 痛々しいけれど仕方がない。 暴れまくって泣きじゃくって、私が次に部屋に入って抱っこするとじきに寝てしまった。 検査結果は、RSウイルス感染による軽い肺炎および中耳炎。 食べてない割には血糖値の値は悪くなく、炎症の値もそれほどではなく、何より酸素濃度は96なので問題ないとのこと。 入院も覚悟して来ていたがその必要はないとのことだった。 抗生物質等お薬を出すのできちんと服用して、また3日後に受診してくださいとのこと。 妊娠出産時にはそう感じなかったのだが、医療スタッフの皆さんがとても優しくて子ども想いで、私は感動していた。 息子の恐怖に寄り添い、為すべきことを迅速に為し、相当な暴れっぷりを見せたにも関わらず、「とても上手だったよ」と本心かのように言ってくださった。 小児科のスタッフに限らず、レントゲン技師の皆さんも、会計等医療事務スタッフも素晴らしかった。 待ち時間以外は。 それに、これだけフルコースの検査と薬をもらってお会計は0円。 我々自分たちの税金から出ているとは言え、本当に有難く思う。 まあ息子にとってみれば初めての監禁拷問のようなもので、トラウマになってしまったらしく、のち夜就寝後に「やだやだやだやだ」と寝ぼけながら暴れる日々なのだが。 再受診を終えて、登園許可書も書いてもらった。 これは2200円の文書料が取られたけれども。 長らく続いた息子の体調不良は一旦これで締めにしたい。 あと数日間、抗生物質を蜂蜜で練り、アイスクリームと一緒に食べさせ切ったら、もう本当にぴっかーんと元気になってほしい。 君の元気はみんなの宝物。 息子の体調不良時は、可能なときは、私は一緒に寝ながらスマホとワイヤレスイヤホンで映画かドラマを観ている。 フォレストガンプ、最高に良い映画だった。 東京ラブストーリー 花束みたいな恋をした フォレストガンプ 水曜日が消えた キングダム1,2 3度目の殺人 39 刑法第39条 キャストアウェイ それでも夜は明ける コーダあいのうた ドクターデスの遺産 <YouTube> キラキラネーム禁止の法改正!?現行(2023年)戸籍に読み仮名の登録はない - お字書き道TALKS #034 <note> ⇒日本人が作った漢字!というか国字! ⇒平安時代よりもっとずっと前に九九は生まれた!【日本の数字の歴史】(その1) 父の十七回忌。
58歳で他界した父は生きていれば74歳くらいになる。 久しぶりに見た遺影は相変わらず58歳の父であり、しかし皆の年老い方や子どもらの成長を見れば月日の重さを感じられる。 あの頃は父の両親、つまり私の祖父母も生きていた。 祖父母からすれば自分の息子の法事はかえって辛い事実のだったので、祖父母も他界した十七回忌の今回は、幼子の無邪気も手伝って明るい雰囲気で執り行われた。 親戚のおばさんも、父のいとこのおじさんも、それぞれに数年前に大病を患いながらも元気だった。 それは良いのだが、息子がまたまたまたまた風邪をひいた。 5月頃から何度目だろうか。 免疫が弱っているうちに次々次々と違う風邪にかかっているようだ。 幼いうちにひくべき風邪をひいておいた方が良い、という考え方もあるが、なかなかどうしてこうも長引くとこの子の身体は大丈夫だろうかと心配にもなってくる。 全く食べられないとか寝られないとかぐったりしているとか、そういうわけではないから、小児科で処方された対症療法の薬を飲ませて休ませるしか方法がないけれど。 元々瘦せ型の彼は、この2,3か月で体重が減ってしまっている。 1歳8か月の超大食いの姪のズボンを、3歳11か月の息子に履かせるとすんなり履けるという驚愕。 あの食べっぷりを半分分けてはもらえないか。 むちむちぽってりどすどすと歩く姪は、毎食ごとに「よく食べるねえ~~」と皆に言われ、一方で息子は「食べない」「いらない」を連発し「枝みたいだねぇ」と皆に言われた。 両方呆れるほどだが、幼子の食べ過ぎは褒められ対象でも、食べなさすぎは呆れられるだけである。 さて、早く良くなってほしい。 何でも良いから食べてほしい。 仕事に差し障ると、次第にこちらの精神衛生も蝕まれる。 がんばれ息子の免疫。 <YouTube> 【書道家・くろのぺん】石に絵を描いて生計を立てた男 - お字書き道TALKS #033 <note> 日本人が作った漢字!というか国字! 書道の流行と丸文字と日本語ラップと |
勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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