夏日が続くそうである。
夏日が続いたらもう夏である。 夏と言わなくても良いのである。 熱々の太陽がカッと照り付けて、気温が上がるのである。 セブンイレブンの「まるでキウイを冷凍したような食感のアイスバー」や「冷凍アップルマンゴー」を今年もたくさん食べるだろうか。 サウナのおかげか、こんな日には少し汗がにじむようになった。 水分は筋肉に保持されるらしく、筋肉量が多い人は汗をかきやすいという話を聞いた。 脂肪は脂だから水分を保持できないのだそうだ。 ということは、あまり汗をかかない私は著しく筋肉が少ないのかもしれない。 あるいは脂肪ばかりとも言える。 汗をかきたいのであれば、サウナではなくまずジムに行って筋トレすべきだったのか。 まあでも今やととのいたい目的の方が俄然上なので、ジムに行くこともしばらくはなさそうである。 出かけていた帰り道、近くの蕎麦屋に立ち寄る。 朝7時~15時までというスタイルの蕎麦屋が私は結構好きである。 味も雰囲気も接客も清潔さも、適度、な感じがする。 その場に居合わせる皆の合意がそこにはうっすらと、且つ凛と存在している。 客のほとんどはサラリーマンで、皆食べることに集中しているように見える。 厨房の中は分担がきちんとされていて、慌ただしい中にも整然さが見受けられる。 レジと盛り付け担当のおじさんはにこやかでも無愛想でもない適度な受け答えをしてくれて気持ちが良い。 心地の良い儀礼的無関心空間である。 食券販売機の前で後ろに客がいないことを確かめ、しばし悩むことにする。 お腹は空いている。 暑かったのでシンプルにざるそばにしようかと思ったが、小さなカレーライスなんか付けてしまおうか。 冷たい蕎麦に温かいかきあげなんてのも良い。 コロッケ蕎麦をいつか食べようと思って数年経つが、今はコロッケの気分ではない。 2分ほど経っただろうか、この後仕事だからあまりお腹いっぱいでやるのも嫌なので、めかぶとろろ蕎麦にしてみる。 めかぶなんて人生で5回ほどしか買ったことがないが、割と好きな気がすることを思い出した。 めかぶ、とろろ、紅ショウガ、葱、わさび、冷たいお蕎麦。 前に来たときに温かいかき揚げ蕎麦を食べたのだが、そのときは味がやや濃いめに感じた。 今日のめかぶとろろ蕎麦はクリアで薄めの味だった。 これが自分の味覚の問題なのか、店側の味付けの問題なのか、温蕎麦と冷蕎麦の違いなのかが判然としない。 女性の身体は周期によって水分量が随分変わるらしいので、塩味の感じ方にもブレが生じると聞いたことがある。 水風呂の温度も、温度計が指し示す同じ17度でも感じ方がとても異なることがある。 あれも温度計の位置などで変わることもあるだろうが、こんなとき、結構私は自分の身体のせいにしてしまいがちである。 塩辛いものは塩辛いし、薄いものは薄い、冷たいものは冷たいし、ぬるいものはぬるい。 それで良いのだけれど、困るのはあのときのあれをもう一度味わいたいと思ったときに自分のデータベースに信頼性が無いことにある。 だから私は特別に好きな店とかがないのかもしれない。 このことにちょっとした問題というか、切なさを感じるのはなぜなのだろう。
0 コメント
あなたのコメントは承認後に投稿されます。
返信を残す |
勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
|