そうこうしているうちに帰国してだいぶ経った。
時差一時間のフィリピンでは時差ぼけはない。 気温ボケをするかと思ったけれど案外そんなでもない。 最終日、ショッピングモールの中にあるスーパーマーケットでシシグやフライドオイルサーディンや豚の耳を揚げたスナックなどをお土産に買った。 物価が安い国のスーパーは楽しくてたまらない。 ホテルに帰って、持ってきたいくつかの服を捨てたりパッキングしたりして、名残惜しい気持ちを携えて空港に向かう。 途中、「CITY OF DREAMS」という巨大な建物が見えて、あれは何かとタクシーの運転手さんに聞くと、カジノだという。 ホテルやショッピングモールは併設されているらしいが、それ以外に周りに何もない空港近くのカジノに宿泊するのはどんな人なのだろう。 ちなみに今回宿泊したホテルの目の前がカジノだったので、二度行った。 一度目は10000円をスロットとブラックジャックですっかり負けて、二度目はスロットで2000円が3000円になった。 私はゲーム中に負けてお金をすることに、まあいいや、と思うことを決断してしまう。 どうせ負けるものだ、それでギャンブル業界が成り立っているのだから、などと弱腰なものだから勝てるはずもない。 カイジのようなギャンブルのひりつきは本当には味わえない。 あまりオカルト的なことは信じていないけれど、ギャンブルにおいてゲームの流れや勝機というのは存在するのだと思う。 スロットはただボタンを押すだけなので何とも言えないが、ブラックジャックやポーカーのように人が介在するものは顕著にあった。 ギャンブルは、カイジがそうであるように、人生に投影しやすく、色々と考えさせられる。 帰途の飛行機の中、離陸前から「四月は君の嘘」を見て、その後がくっと眠った。 羽田に着いてバスに乗ってとき、日本の道路はなんて滑らかなんだろうと思った。 つるりとハイウェイを滑っていって、タクシーに乗り換えて、ほどなくして家に着いた。 向こうで知り合った方に、最後に「あなたに会えて良かったわ」と英語で言われたのを、何て言われたのか分からずきょとんとしてしまったことを悔いている。 水が好きな木瓜の木が飢えていないか心配していたけれど、何とかギリギリ間に合ったようだ。 乾いた土に水をやると、じじじ、と染み入っていく音が響いた。 あとひと月ほどで花が咲くのではないだろうか。 借り物の「ジョジョの奇妙な冒険 第七部」を2年かけて読了。 大変に難しい絵と話であった。 絵が緻密過ぎて、何がどうなっているのか分からないところも多々あった。 壮大であることと、その熱量は把握したつもりである。 2年分のお詫びを込めて、ひもの塾の干物を贈って差し上げる。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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