若かりし頃の岡村靖幸が歌っていたsweet memoriesがあまりにも良くて、「We love SEIKO」という松田聖子総集のような3枚組のアルバムを買った。
岡村靖幸のおかげである。 その動画には、あの、野沢直子が奇声を上げていて、私史にピンで留めておきたい動画となった。 sweet memoriesは松本隆さんの作詞らしい。 松本隆さんの作るラブソングの詞は、ラブソングの体をした別のこととも思えて大好きである。 それもそうと、先日東京書作展に出品した「ア、秋」が東京新聞賞を受賞したお知らせを電話で受けた。 そのとき私はとあるビルの6階にいて、階段の踊り場で手すりに持たれて遥か階下を身の縮む思いで見ていた。 今携帯電話が手から滑り落ちたら、もし手すりの格子から私が滑り落ちたら、息の止まる思いを自分で演出していたのかもしれない。 携帯電話と手すりをぎゅっと握った。 手すりから離れれば良いのに。 ある思いと一緒にあった映像や匂い、あるいは、映像や匂いと一緒にあった思いは深く心に刻まれる。 取り立てて誰かにそのことを話すことをしなくても、それは私の記憶の引き出しに大切にしまわれるだろう。 それらのことは後に“思い出”と呼ばれる。 “思い出”になる可能性のある、ささやかだったり取るに足らない心の動きを、私はブログに書くのだろう。 2000点くらい(おそらく)の出品作品から、上位13点に選ばれたのだ。 書作展の仕組みはいろいろあれど、自分で言うのもなんだけれど、素晴らしいことである。 苦節、なんて言い方は似合わない気もする一方で、がんばった気はする。 根性出した、そんな感じがする。 少しだけ、目頭が熱くなる。 書をやっているのは、当然ながら誰のためではなく己のためだ。 無論賞を獲ることが一番の目的では全然ない。 しかしながらいつだって、私が成したことを誰かが良いと言ってくれるのは、頭を撫でられているような気分になるのである。 □東京書作展 11月30日〜12月4日まで。 池袋サンシャインシティ展示ホールA お時間とご興味がおありでしたら、ぜひお足をお運びくださいませ。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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