大根は私の調理力如何ではなくて、その大根のポテンシャルに出来栄えが左右されやすい。
ような気がする、のはすなわち私の調理力が足りないのだろうか。 南瓜もそうだと思う。 白菜においてはそのポテンシャルではなくて、私によるところが大きい。 野菜を摂らないとなあとか、近くの八百屋さんが空いているときにちょうど荷物が少なかったとか、そんなときに色々と野菜を買い込む。 肉頼りなところもあるので、ついでにスーパーに寄って鶏肉か豚肉も買う。 買い物をするときに何を作ろうなんて考えていないというか、どうせごった煮しか作らないので、気が向いたら鍋にそのいろいろな野菜と肉を放り込んで煮る。 気まぐれにいつもはあまり買わない手羽先を買ってみたので、「大根と手羽先の煮物」という料理名がありそうでなさそうなものを作ってみる。 やっていることはいつもと同じで、手羽先を鍋にそのまま入れて焼き色を付けて、拍子切りにした大根を追って入れて鰹の出汁を入れてことこと。 「大根と手羽先の煮物」と言いながら、やっぱりいろんなものを一気に煮上げたいので、にんじんと油揚げと切り干し大根も適当に切って入れる。 生姜がなかったので、鷹の爪を二本。 鰹の出汁味が好きなので、出汁だけはちゃんと事前に取っておいた。 料理において何を避けているかというと、手や、たくさんの食器や、調理器具が汚れたり散らかったりすることで、鍋ひとつ、フライパンひとつでできることなら割とやる。 その手順さえ間違わなければ良いだけだ。 ここにセロリを入れるとか、大葉を入れるとか、そういう冒険心はあまりないのだけれど、一応この時点では出来上がり予想図は描いているので、入ってもおかしくないものを私としては入れているつもりだ。 こういった煮物の甘みについて、もっぱらみりんを使うことを良しとしていたのだけれど、あるときに作ってもらった鍋料理が透き通る甘さで雑味がしなかったので、そのわけを探ってみると、みりんではなく砂糖を使っているとのことだった。 みりんは味に奥行きが出る代わりに、味が曇る。 そういうわけで、みりんを使わずに砂糖で甘みを入れる。 もらった鰹粉も追いがつお的に入れる。 全体に火が通ったところで、鍋に蓋をして出かける。 今回買った大根のポテンシャルが高そうなことは切っているうちに分かっていた。 小ぶりだったそれは、瑞々しさとしなやかさを兼ね備えていて、出かけているうちに様々な具材の出汁をたっぷりと煮含んでくれた。 白菜のごった煮は盛り付けを頑張っても見栄えはしないけれど、大根とにんじんと手羽先と油揚げと切り干し大根なら、盛り付け様によっては小料理屋さん風になるだろう。 木の芽とかカイワレが1,2本でもあれば尚立派だ。 飾る緑もなければ、それ風に盛り付けもしなかったけれど、味は上出来だった。 みりんではなく砂糖だったことが、今回においては功を奏して、クリアな感じとなった。 ぴたり、自分の好みができるというのはやっぱり美味しくて嬉しい。 手羽先が食べづらいと思ったので、下処理の方法を見てみると、「関節を折る」とか「切りこみを入れる」とか書いてあった。 もちろん食べやすい方がいいに決まっているけれど、味に影響しないならば、関節を折ったり切りこみを入れたりはしたくない。 最近、フェイスブックを見ていると高速の料理動画広告がとてもたくさん出てきて、こういうのが今流行りなのかと思っていた。 肉に切りこみを入れて、チーズとドライパセリとオリーブオイルを混ぜて乗せ、溶き卵を塗って、粉をふるって、メレンゲを作って乗せて、オーブンで25分、みたいな感じで、料理というのは本来とても手間がかかるものなのだと思いながら、すごく見入ってしまう。 私のタイムラインに出るのは、あまりに私がその動画をよく見るからで、何なら「いいね!」をしているからで、他の人のタイムラインにはそんなに出てこないらしい。 一度アクセスしたネット広告に追いかけまわされるのは、自分の興味の範囲を絞ってくれるありがたいことの反面、どんどんと自縛していってしまうことにもなる。 まあ見てしまうのだけれど。 ちなみに、今はレコードプレーヤーにも追いかけまわされているし、ちょっと前まではダイニングテーブルに追いかけまわされていた。 近所の飲み屋さんの常連さんに教わった、あの駅までの最も上り坂が少ない道、を7,8回目にしてようやく迷わずに行けるようになった。 でもまだプールへの道のりはだめで、ひとり紆余曲折してしまう。 目的地に向かっているつもり、が全然違う方向に進んで、見慣れぬ景色の中に取り残されるのはちょっとした恐怖を感じることがある。 タイムリミットがあるときはそれに拍車がかかってとても焦る。 素質がなくても練習は物を言う。 これは信じているので、せめて決まりきった目的地へは迷わずに着けるように練習を重ねたい。 ブルーデイジーの花が綿毛になった。 木瓜の花がまた咲いて、新緑が芽吹いてきた。 プールに行って、レッスンして、資料作って、「天」読んで、ブログ書いて。 さて。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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