南瓜、椎茸、えのきだけ、ピーマン、パプリカ、油揚げ、をフライパンで焼きつけて、まだ熱々のだし汁に薄切りにした生姜と鷹の爪を三本ほど投げ入れて、浸ける。
半日くらい寝かせる。 常温でほの冷たくても、冷蔵庫で冷え冷えにしても。 最近よく作る野菜がメインの焼き浸し。 要は夏バージョンのごった煮ならぬごった浸しと言ったところである。 簡単、それなりに美味しい、汎用性がある、大量に作れる、味付けが繊細でなく再現性がある、そんなレシピは定番として地位を確立して何度も作られることになる。 汎用性がある、というのは、具材はこの他、非常に幅広くほとんど何でも良いということである。 まだ試していないが、牛肉やゆで卵、冥加やセロリやトマトなども良いだろう。 しかし、鯖や秋刀魚などの青魚は臭みが広がってダメかもしれないと想像する。 茅乃屋の出汁パックをいただいたところからこのメニュー開発に至った。 決め手は何と言ってもこのだし汁である。 このだし汁の波及力というのは、様々な食材全体を十分に覆い尽くし、ちょっとやそっとのことで揺らぐものではないのである。 出汁のきいた料理を作る人のことを所謂「料理上手」と言ってしまう向きというのは確実にあるように思う。 出汁のきいた料理は味が染みているということでもあり、時間と手間がかかっているように思えるし、何かしらの“本格感”を否応なく醸してしまうものだろう。 しかしながら、既に完成された出汁パックなどを使えば実に簡単に本格感の醸成された和食料理が出来上がる。 気を利かせたいところと言えば塩味の調整くらいなものである。 あと、それなりに味を染み込ませるには時間が必要だが、放っておけば良いだけなので手間はない。 シンプルなレタスとハムのサンドイッチや、塩胡椒のみの味付けの葉物の炒め物、絶妙なチキンライスやチャーハンなどの方がよほど難しい料理のように思える。 もちろん立派な出汁パックを使わなくても、化学調味料としての和風粉末だしや出来合いのつゆの素を使ってもそれなりに良いだろうけれども、「料理上手」の華々しい演出としてはある程度高級高値な出汁パックを使った方が良い。 と言っても、出汁パック一つあたり70円ほどのようなので、かなり現実的でもある。 いただいた出汁パックが無くなったら、今度は自分で買ってみよう。 誰かの家に出向く時の手土産にも良いかもしれない。 さて、産休に向けて少しずつ仕事をセーブしている。 何せひと駅分ほどを歩くと高い確率で貧血を起こしてしまうので出歩くことがままならない。 打合せの場所などもご自宅まで伺いましょうかとおっしゃっていただいたり、皆様にご迷惑をおかけしながらも甘えさせていただいている。 今までやってきたことができなくなる不甲斐なさに実のところだいぶ追い詰められていたのだが、最近は少しずつ諦めがついてきた。 またたくさん歩けるように、またサウナに行けるように、きっとなるのだろうから、今は身体の言う通りスローな動きを取っていれば良いのだろう。 そんなことに、今さらようやく納得が得られてきた。 安静にしてください、どうぞお身体を最優先に、と妊娠期間中に何度言われたことだろうか。 それはそうなのだが、自分が退化していっているような気がしてそれは何とも辛いものであった。 既に10キロほど増加している体重も、ようやく上げ止まり。 慎重に、泰然と、暮らしていこうと思う。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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