句会があった。
投句した3句は全て入選と他者的に上々の評価をいただけた。 夏浅し放物線の山上る 「先生へ、産まれました」の初夏の文 履歴書を今破りをり青葉風 (兼題:先) 最近は日常的に俳句を詠んではおらず、句会の前に焦って言葉を書き出して、小さな粘土の塊を半ば無理やりにくっつけるみたいにして作るのだけれど、今回はわらわらとたくさんできた。 一先ずは床磨き終え青葉風 父の声再生せむと青葉雨 翔子弾くピアノ腕上ぐ初夏来る 一縷の灯榊の新緑伏す老婆 唇を紫にしてプール開き 夏といふ文字の旗めく氷店 幼子が足を畳んで柏餅 輝きは金髪に似た新緑かな 五月晴れ球はカキンと天届く 最近の句作は日常の体感実感に基づかないものが多い。 私は自分で作るものも、人が作るものも、切実なものが好きだったりするけれど、切実なものというのは切実さが自分の中に内在していないと作れない。 それに、ポップでキッチュでファンタジーでフィクション、なんて雰囲気もそれはそれで好きだったりもする。 自分の中に置き去りにしている切実さがないだろうか、とそろそろまたそんなことを問うても良いのかもしれないとも思う。 いずれにせよ、俳句的日常を取り戻すことができればまた違ったものができるようにもなるだろう。 とりあえず、日常の所作や空気の実感、言葉の面白味をメモするくらいはしたいと思う。 機会があって、玉置浩二さんのライブを観に行った。 上野の東京文化会館、大ホールの一番上5階席は、下を眺めると身の縮む思いがした。 ステージは遥か遠くだったけれど、真正面で、言わば「天皇席」みたいな席だった。 昔からそうなのかもしれないけれど、オーケストラをバックに置いて、より歌唱の方に力を置かれているようで、ものすごい歌声であった。 山下達郎さんも年を取ってさらに声量が上がったという話を聞いたことがあるが、身体や声帯の変化に応じてそんなことも起こせるのか、という感じであった。 ただ、全然知らないバラード曲のオンパレードで、歌と演奏が上手すぎてCDを聞いているかのような気分になって、途中ややうとうとしてしまった。 一切のMCがなかったこともある。 安室奈美恵さんのように「ライブアスリート」になったのだろうか。 アンコールを二回、一回目は「田園」、最後は「メロディー」をマイク無しで。 ああいった音響のしっかりしているホールでの拍手喝采というのは、鳥肌もの、圧巻であった。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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