息子が三歳になった。
胎児、0歳、1歳、2歳、3年と10か月くらい生きている。 たくさん生きてくれてありがとう、おめでとう。 これからもたくさん生きてね。 「お名前は?」「何歳ですか?」と聞くと正しく答えてくれる。 脳のシナプスは少しずつ各所端々につながって、一般的な人間世界を理解していっているようだ。 生徒さんのパティシエさんにバースデーケーキをお願いしておいた。 比較的近所に住んでいるので、ケーキが崩れないように歩いて持ってきてくれた。 雨は私のせいではないけれど、こんな雨の日になってしまって、申し訳ない。 息子の好きなものを色々と伝えて、あとはデザインは全てお任せしておいた。 パティシエさんが箱から出すのを、私も息子もわくわく見ていた。 大きな大きなミッフィーの顔のケーキ。 真っ白のホイップクリームがたっぷり塗られたうさぎのケーキ。 耳にはいちごのリボン。 まだ夕飯だったのだが、息子はそっちのけで食べる食べると言った。 まあいいか、と、ケーキの写真を撮ってから、ミッフィーの耳の部分をカットして食べさせるとものすごい勢いでばくばくと食べた。 いちごは吐き出していたけれど。 多くの子どもは、ケーキを喜んで食べるだろうが、息子においては食べてくれるかは心配していた。 スポンジケーキと生クリームという組み合わせは好きなはずだが、見た目で警戒されるともう一切食べてくれない。 お菓子であろうとなんであろうと、一度食べないとなったら食べてくれない。 だからパティシエの彼女にも事前にそういうわけでくれなかったら、両親が美味しくいただきます、と言っておいた。 そんな心配をよそに、彼女の前でもっともっととケーキを食べた。 何なら、彼女の膝に座って、彼女にも食べさせてもらった。 生粋の人見知り君なので、彼女と息子は何度かあったことがあるとは言え、これにも驚いた。 三歳を迎えて、対人関係も少し変わってきているように思う。 保育園でも馬の合うお友達がいて、親密なコミュニケーションをとっているそうだ。 いつまでの極度の人見知り君というレッテルを貼りつけたままでは良くないだろう。 夜、お父さんと寝室に行ったがお父さんは先に寝てしまい、息子は私が寝室に来るのを待っていた。 息子を抱きしめて頬ずりする。 こんなに気持ちの良いほっぺがあるだろうか。 いや、こどものほっぺはみんなこんなもの何だろうけれど、他人のお子さんに頬ずりはなかなかできない。 この至極気持ち良いほっぺに、こんなにも頬ずりさせてくれるのはやはり息子しかいない。 と思っているうちに私も寝てしまい、朝起きると、スマホに寝ている私の顔の写真が残っていた。 スマホの扱いも手慣れた三歳のはじまり。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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