夫がとても珍しくヨーロッパへ1週間出張へと出て行き、同じころ自宅マンションの配管工事が始まった。
専有部分の3か所、風呂、台所、トイレに通っている建管を物理的に新調するというかなり大掛かりな工事。 住んでいるマンションはかなり古く、各所で水漏れ等が起きており、満を持してマンション全体で工事へと舵を切った。 と言っても、全戸に承諾を取り、全戸に入室する工事なので、管理組合の理事会や管理会社はさぞかし大変だっただろうと思う。 建管の通っている箇所の壁をぶち壊し、パイプを切り、新しいパイプに接続し、壁を閉め、壁紙を貼る、という一連の工程を部屋の三か所で行った。 トイレを外し、洗面台を外し、クローゼットのものを全部出し・・・うちは相当物の少ない家だと思うが、物の多い家では倍以上に大変な作業量だろう。 もちろん、工事期間中は日中は排水制限となり、水が使えない。 マンションの敷地内に仮設トイレが設置された。 私は仮設トイレというものに良いイメージがなく、昔のいわゆるぼっとん便所のようなものを想像していた。 できるだけ行きたくないと思っていたが、そういうわけにもいかず恐る恐るトイレに向かってみると、なんと普通の温水シャワー付きの温かい便座のトイレであった。 掘っ立て小屋のような仮造りで薄暗くはあるけれど、快適なトイレだ。 今は地方の道の駅などの公衆トイレも随分ときれいで立派なものが多い。 子どもの頃、臭くて汚くて暗くて震え上がるようなトイレが多かった。 トイレもひと世代前進して、完全に時代が進んだようだ。 1週間も夫がいないので、けいこを助っ人として前々から予約していた。 けいこには孫が何人もいてひっぱりだこであることに加え、彼女は多趣味なので日ごろから何かと忙しく予約が必要だ。 今回も随分と世話になった。 今日、私は本当は前橋に行く予定だったのだが、雨でその予定が流れたため、けいこが観たいと言った「ゴジラ-1.0」を観に行くことにした。 なんでもけいこの故郷の海が映像で使われているらしい。 私は基本的に映画館に行く習慣はなく、臨場感が必要そうなアクションもので、人から誘われれば行く程度だ。 決して、今上映している「月」などを大スクリーンで見たいとは思わない。 日常はスマホにイヤホンで映画を観ている。 私はゴジラについて、どでかい怪物が街を襲う、というくらいのイメージしか持ち合わせていなかった。 「シンゴジラ」は観たが、痛快な映画だったような気がするというくらいの印象である。 今回、「ゴジラ-1.0」を観て、完全なる戦争映画であることがよく分かった。 ゴジラ70周年の今作は、1954年の特撮怪獣映画『ゴジラ』のリバイバル版である。 映画ならではの現実味のない作戦や行動はさておき、単純にとても面白く観た。 人間の根源的な戦いへの欲望や敬意、憎悪の連鎖、逃げた者や奇しくも生き延びた者の個人的な苦悩、そして決して終わらない戦争。 ゴジラは人間の感情を持たないが、あらゆる人間の憎悪の権化、象徴なのだろう。 原作の『ゴジラ』とほぼ同じ内容であるかは知らないが、あの映画が戦後10年も経たない間に作られたと言うのは興味深い。 復興の最中、反戦を大きく掲げながらも、描いているものは決してそれだけではないように思えた。 映画では、終戦を迎えても多大な苦悩を持ち続けている人たちの「俺の戦争」も主題のうちのひとつだ。 私の世代は、戦争を実際の体験者から生の声を聴くことができた最後の世代だと思う。 しかしながら、その話を聞いた頃は幼すぎて、少なくとも私はあまり実感をもって聞けていなかった。 けいこの世代は、親が戦争体験者なので、私よりもずっと戦争というものが体感としてあるようで、けいこは映画の最後のあたりは少し泣いていた。 映画は誰かと一緒に行って鑑賞後の感想を言い合いのも良いのだが、隣で泣かれるのはなんだか困る。 ぜひ、映画館へとおすすめしたい映画だ。 <YouTube> 【数字シリーズ③】江戸時代頃の数字あれこれ。「アレ」の聖地甲子園の語源 【数字シリーズ②】日本の数字の歴史。古代~平安時代まで! 【書道家対談シリーズ「うどよし」さん】テレビ出演多数、ユニクロコラボ!読める書道の追求 <note> ⇒「八万三千八」なんて読む?漢数字、和歌の世界。 ⇒【漢字創成の神話】蒼頡(推定紀元前2510年~紀元前2448年)
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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