さてあれから息子のことについて、「感覚過敏」という新たなワードが出てきた。
保育園に偶然別の用事で訪れていたクリニックの先生から発せられたようだ。 息子の食べる姿やハイハイの様子などを見ていてくださって、それで少し気になるということになったらしい。 感覚過敏、といっても種類も度合いもものすごく色々あるだろうことが、その言葉だけで多分に伝わってくる。 私は人間だれしも発達にムラがあると思っているが、その度合いが少し大きく、社会的平均と距離が離れている場合に、ある種の病気と名前が付く場合もある、ということだと思っている。 個性、とか、特徴、とか、そんな風に呼ばれることでもあると思うが、平均からの距離が遠ければ社会生活に支障がある場合もあるだろう。 息子の場合、1歳を過ぎてもどろどろのものしか食べられないのは、口の感覚過敏が原因なのではないか、ということ。 その先生曰く具体的には、食べるときに口の中央部しか使っておらず、舌を前後にしか動かしていない様子が見られる、これは口の全体に食べ物を広げるのが嫌なのかもしれない、ということなのだそうだ。 舌は乳首を吸う動きで母乳のほかの食べ物を食べており、所謂もぐもぐむしゃむしゃということをやっていない。 感覚過敏の子は様々なところにその症状が見られるらしいが、息子にあてはまるのは音や環境への過敏さだろうか。 保育園でも、昼寝中にはさみの音なのでも起きてしまうことがあるらしく、その他にも音にはやや敏感ですねとは前々から言われていた。 私としても、確かに、と思い当たる節はいくつもあるのだが、赤ちゃんは何でも初めての状況なのだからこんなものかしらと全然気にしていなかった。 そういえば以前、地下鉄に乗ったとき、コロナ対策で窓が開いているのもあって轟音がしていたのだが、息子は神妙な顔つきで固まってベビーカーをぎゅっと握りしめてぶるぶる震えていたことがあった。 大丈夫よと声をかけながら乗っていたが、眉間にしわを寄せたまま、目的地まで固まっていたのである。 あとは、初めていく児童館などで床に下ろそうとすると私からくっついて離れようとしないということもある。 しかし10数分で動き出すし、場所見知りという言葉があるくらいなのだから、当然の様子だと思っていた。 それに、場所見知りしない料理屋さんなどでは目を輝かせて机によじ登っていったりもするから、そんなに大したことではないように思う。 身体的発達や食事や意思表示や発語など、子どもによって本当に差があると言うし、どこまでが「普通とかけ離れている」とするのか、多くの場合は微妙なところだろう。 まあでも、離乳食の件については、平均からの距離が遠のいてきていることと、ここ数か月であまり進歩していないということを鑑みると、少し対策などを講じても良いのかもしれない。 そう思って、保育園に紹介された区の施設と、民間の施設に問い合わせを入れた。 区の施設はとても混んでいるようで、本当にケアが必要な子かどうかを判断する面談に進む前の電話相談をした。 民間の方は、さっそく体験レッスンを予約していたところである。 ところで「感覚過敏」という言葉を夫に出してみると、夫は「そうだと思った」と非常に納得感のある顔をしていた。 それを私に言うのは、私が悩んでしまうかもしれないので言ってなかったらしい。 私はそれを言うと悩んでしまいそうなタイプに見えるのか。 それに、以前から息子のことを過敏な奴だと思っていたのか。 私は何となく、自分自身を含め、皆が腑に落ちる原因が言葉として出てきたことは安心している。 事は解決していないのでここで安心しきってしまっては意味がないが、何かの原因が言葉になるというのはひとつの安心を生むものである。 対策などはこれからだけれど、この件は中期的に見て息子の人生にとってより良くなる選択をしてあげられればと思う。 イメージだが、感覚過敏というのは治す類のものではないと思うので、それとの付き合い方や個別の対処法などを知っていければ良い。 子育ては一難去ってまた一難、という感じだが、主に食べることでしか悩んでいないのはありがたいのかもしれない。 1歳2か月の彼は、まだ一度も発熱も風邪らしい風邪もないのである。 これまであったのは、便秘と肌荒れくらいか。 さて、話は変わるが、かろうじて隔月の句会には顔を出していて、とても久しぶりに特選をいただいた。 隣室の工事に負けじ生姜擦る 廃工場色なき風に父の影 芸術祭私は恋をしています 特選をいただいたのは、隣室の~である。 ついでにこれらを書にしてInstagramにアップする。 Instagramは、個人ページにその人の見た目上の世界観が現れるので、風合いのばらばらなもので汚したくないなと思っているので、アップするのをためらっていた節がある。 とりあえず今後は、Instagramは自発・自作を主にやっていこうと思う。 Instagramの投稿を見たある方からweb個展でもやれば良いのにと言われて、少し本気になっている。 リアル個展よりは本当に楽だろうけれど、それでも膨大な作業が必要になるだろう。 でも、やろうかなと思っている。 がんばりたい。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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