どんより曇って靄がたっぷりだが、その向こうの太陽はいたって元気、雲が眩しい、プール開きの日の匂いがする。
息子は寝汗をじっとりかいて、起きていても髪の毛に熱がこもるようになった。 ふぁさふぁさ、と髪を手で仰ぎ触ると気持ちよさそうにしている。 息子が随分早起きで6時頃、1時間ほど、ティッシュを引き抜いたり、私の顔に乗りかかってきたり、おっぱいを飲んでみたり、ついにはにこにこ笑いながら私の髪の毛をぶちぶちと抜いてくるので「やめてやめて」と声を上げると、既に起きていた夫がリビングに息子を連れていってくれた。 「おかあさんといっしょ」の刑に処されるのだ。 しかし録画の連続再生ができないので、夫が出勤直前に再生しても30分で終わってしまう。 そうなると寂しそうに呼ぶので私も起きざるを得ない。 8時前、私はようやく必死で起きて、私が昨夜寝たのは2時過ぎである、着替えたり洗濯物を片付けたり朝ごはんの準備をしたり夕ごはんの準備をしたり。 私はトーストとヨーグルトとコーヒー、息子はたらとじゃがいもと玄米のどろどろとコーンペーストと私のヨーグルトも少し、の朝ごはんを食べて、眠そうな息子がいる。 しばらく椅子に座らせたまま、リアルタイムでやっている「おかあさんといっしょ」を見させて、私は夕ごはんの続きを拵える。 とりあえず、玄米を研いで浸水し、油揚げと糸こんにゃくと豆腐の炒め煮、鶏出汁のお味噌汁を作る。 鶏出汁というのは、鶏むね肉を茹でるついでにそのまま味噌汁にしているだけである。 一応一汁三菜を目指していて、もちろん切っただけの冷やしトマトなども一品に数えるが、朝に汁物と何か1、2品は作ってしまう。 煮物は味を含ませるために一度冷ましたいので朝に拵えることが多い。 相変わらず、毎日、コンセプトと完成図のない一汁三菜が並ぶことになる。 息子が椅子から下ろせと言うので、ベビーサークルの檻の中に入っていてもらう。 しばらく静かにしているなと思ってのぞくと、水を入れてあったストローマグの蓋を開けて服までびしゃびしゃになっている。 これは4日連続の惨事である。 まあでもこれがうんちでは無いのは全く気が楽で、そうなると分かっていても毎日ストローマグを渡したまま目を離してしまうのだが。 下着まで濡れているので全て脱がせて着替えをする。 暑いので半袖を着させると、何だか赤ちゃんではなく幼児になった感じで、一抹の切なさを思う。 そう言えば昨夜、西松屋のオンラインショップであれこれと息子の夏服を買った。 今までは有難いことにほとんど出産祝いなどの頂き物でまかなっていたが、これからの夏ものがあまり無いのである。 今の息子に服の趣味はないので私が着させて楽しむだけだが、購入した甚平を着せるのがとても楽しみである。 さぞかしさぞかし、可愛いだろう。 着替えてぐにゃぐにゃしている息子は積み木に頭をぶつけて大泣きするので、おっぱいを差し出すと咥えたまま寝入った。 窓からのぞく曇り空を見ながら、私もベビーサークルの中で横になり、眠いけれど眠れそうにないのでこれを書いている。 蒸し暑いけれどまだまだ夏は浅く、時折心地よい風が吹き込んでくる。 新緑の香りを纏った、大好きな5月の香りである。 昨日は、母の日であった。 母の日、そうか、私が母か。 私の母には孫写真のカレンダーを作って送ったけれど。 もちろん、今年の息子が意図的になにかしてくれることは無いが、母の日が受動なものになるなんて何だかさっぱり実感がわかない。 やっぱりまだ、私は“親”という実感が乏しい。 さて、カーネーションでも、その辺で摘んだたんぽぽでも、もらえる日が来るのだろうか。 もそもそと息子が動き出したと思ったら、くるりと寝返りをしてうつ伏せになり顔を上げ、寝起きでにっこり笑っている。 枕にしていたグレーのカバーのクッションが濃いグレーになって濡れている。 息子はべたべたと私にまとわりついてくる。 邪魔だし、暑いし、可愛いし。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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