反故と眠気と、気怠いボブディランが積み上がって、すっかり夜が明けてしまった。
こめかみがとくとくと波打っている。 太ももは少し筋肉痛を起こしている。 夜通しで、缶ビールと缶チューハイを一本ずつ。 ごく軽い酔書である。 これまで漢字作品にろくに取り組んで来なかったことと、”思い”を先行させてきてしまったことで、今さらながら自分の出来なさ加減に焦りすら感じている。 ”思い”完全先行なら”思い”が高ぶったときにただやればいい。 と言っていてもどうしようもなく出品の期限は迫っているので、とりあえず練習をと思って、本棚から作品集を取り出して臨書をする。 どうにも漢字の発想不足であるし、筆ともまだまだ仲良くなれなくて、結果力でねじ伏せるようなやり方をしてしまう。 ここで接筆を突き出すのか、一体この線は筆がどうなってできているのだ、ここでこっちにこんなに行くのか、ここで捨ててもいいのか、よくもまあこんなに短く、あぁ私はいつもこうばかりやりがちだ・・・云々、発見はとにもかくにもそれを体得するには時間が足りない。 そもそも私は元々が全然創作向きではないし、自分の枠から出るのはとてもとても苦手なタイプだ。 最近お会いした人にはあまりそう思われていないような気がするが、根っからの、本物の、小心者であるし、どうにも芸術コンプレックスがある。 自由に書く、の、自由、なんて端くれにも触れられないくらいに遠い。 練習に時間をかけ過ぎて、本番の創作ですっかり体力切れになってしまった。 書いている途中で、字を飛ばしてしまうし、間違えてしまうし、空間は間延びしているし、見れたものではない。 本画仙は墨をよく吸う、それもまだだめだ。 好きなことを勝手にやっていて辛いならやめてしまえというのは、確かなことだと思う。 今までそれをあまり思わずに来たことは、間違いなく何かをないがしろにしてきたからだろう。 花屋に寄ったらうわあああと伸びている多肉植物がたくさん入っていて、いくつか買った。 うわあああと元気の良い植物が好きである。 家の一所に緑を集めたら愉快な感じになった。 届いた花も入れ替えて飾って。 オーストラリアでは外来種として疎まれてもいるフリージアは、やっぱりラッパみたいで、いい香りがする。 真面目に考えることも、真面目に考えないことも、真剣にやることも、怠けることも、それから目を背けていないのであれば、同じことだ。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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