6月。
年明けから思うともう5ヶ月が経過したことには、早い、と言いたくなる。 がしかし、3月の半ば頃、断乳してからのことを思うと、まだ2か月半ほどしか経っていない、と思う。 これまでも感じていたが、断乳ということを軸に置くと、実に時間が経つのが遅い。 もはや2か月半前ではなく、去年の3月、すなわち1年以上前のことのようにも思える。 なぜだろうか。 おっぱい好きの息子は今でも健在であり、時折めくりあげてにやにやして、あわよくば口に入れようとする。 彼とおっぱいの関係は、命の食料ということ以外にも多分に何かありそうである。 最近展示会友達とよく展示会に行く。 その場所はやはり多くの画廊や美術館が点在する銀座が多く、そのついでで銀座でランチやお茶をすることも増えた。 銀座の物価がばか高いことは承知しているが、私は所謂”おしゃれ感”にお金を払うことをあまり良しとはしていないので、おしなべて割高な街だなあと思っていた。 しかしここ最近、店をきちんと選べば、かなり納得感のある食事とサービスが受けられる、というふうに印象が変わってきた。 昨日、アーティゾン美術館に行って、館内のレストランで昼食をとった。 コースメニューのみ、2000円、3000円、4000円のコース。 迷わず2000円のコース、気温が高かったので、山椒麺のトマト冷製パスタ、にした。 運ばれてきたパスタは、白くて大きなお皿にこじんまりと小山に盛られた、トマトの赤とオリーブオイルの黄緑の鮮やかなパスタだった。 いくら見た目が美しくてもさすがに足りなさそうな量だ、銀座の割高感をさらに煽る、と内心思ったが、写真に残したいほどの見た目ではあったので、iPhoneでカシャリと写真を撮った。 しかしながら、食べてみるとなんとまあ。 其処らのこじゃれたカフェのメニューではない。 料理の道を志したシェフの所業だ。 トマトとマスカットの酸味とうっすら山椒の風味、全体はオリーブオイルでまとめあげられていて、冷たくてさわやかでねっちりとしている。 記憶に残るパンチ力を持ちながら、気品を備えた凛とした味。 美味しい。 付いてきたひとかけらのパンは私としてはあまり評価するところがなかったが、小さなデザートも美味しかったし、食後のアイスティーも茶葉への丁寧さが感じられた。 展覧会友達はしらすのリゾットだったが、これも美味しかったそうだ。 また、少なく見えた量も、食べ進めてみると案外重量感があり十分であった。 美術館ならではの天井の高い広々とした空間で、平日だったからかとても空いていて。 テーブルも大きな4名席を二名でゆったりと。 定員さんも常にフロアを見渡しており、サーブも早いし、タイミングも見事だった。 2000円、とても良い値段、そう思えた。 思えば、以前には文明堂カフェ、銀座ウエストなどにふらりと立ち寄っていたりするのだが、いつもの私のランチ料金、カフェ料金としては値段は少々張ると思いつつ、実情に満足していたということはあるかもしれない。 銀座の良い店の食べ物のイメージは、見た目に小さくて、中身がぎゅっとしていること、だ。 いつかに食べたハンバーグも小ぶりだったがぎゅうぎゅうにみっちりしていたし、サンドイッチもレタスでふかふかなどしていなかった。 また今月の後半に銀座に出向く用事がある。 昨日のレストランでお昼を食べようかなと今から画策している。 主目的であるアーティゾン美術館も、もう食べきれないというほどの量の所蔵であった。 ブリヂストンという会社の創業者が作ったらしいが、石橋氏の底知れぬ美術欲と財力を見た。 ちなみに、ブリッジ+ストーン、橋+石、という由来であることを夫から聞いた。 そもそもブリヂストンが何の会社なのかわかっていないけれど、日本の会社ではないと思っていたので、二重の驚きであった。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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