10月となる。
ころころくるくる、月は転がり進んでいく。 また来年10月は来るのだけれど、同じ10月は当たり前に二度と来ない。 そのうちに新しいお正月もやってくる。 去年とは違うお正月がやってくる。 来年もまた、これまでのどのお正月とも違うお正月がやってくる。 だから、なんだ。 台風が過ぎて、台風がやってくる。 ブルーハーツの「台風」が頭の中に鳴る。 彼らが言う「台風」は「台風」そのものではない。 同じように例えば誰かが「あなたが恋しくて」と歌ったその「あなた」は「あなた」そのものではない可能性がある。 そもそも、人ではないかもしれない。 というか、人ではないと捉える視点が存在するということを知ったことは私の人生を充実させたひとつの大きなことのように思う。 だから、なんだ。 とは思わない。 少し早いが、年賀状のレッスンを始めている。 生徒さんが書くついでに私もサンプルを書いている。 私は喪中なのだが、皆さんの書いたものが見たいので是非喪中の私にも年賀状を頂きたいものである。 最近たまに絵の具を使って簡易的な絵というかモチーフや線を書いている。 色というパラメータは恐ろしいほどに無限である。 字や絵を何かをひとつのそれなりの形にしたいと思うとき、どんな取っ掛かりでどんな出だしでも良いからまずは始めてみることである。 まずは紙に筆を下ろしてみることである。 生徒さんの中には字も絵も吐き気がするほど嫌いという方もいる。 でも、字も絵も全く書けないという人はひとりもいない。 数年前までは私が絵のようなものを描くなんて思ってもみなかったし、その前に創作の世界に身を置くなんて人生など想像もできなかった。 でも恐々、本当にこわごわ、まず紙に筆を下ろしてみたのである。 ただそこから今に至るまで、紙に筆を下ろし続けているだけである。 創作をするのがおこがましいと思ったり、怖いと思ったり、できるわけないと思ったりしている人を勇気づけるのは私は案外得意かもしれない。 それはまさに私がそうであったからで、同じような気持ちが分かるからだ。 誰だってそのときに最高の年賀状が書けるのである。 このようなことは汎用性が非常に高く、物事の道理はみなほとんど似通っている。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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