お義父さんの百か日法要ということで、夫の実家に出向く。
いろんな宗派や慣習があるもので、百か日法要とやらには私は初めて出席した。 如何せん、通夜葬式から、はちゃめちゃなお年頃の息子が常に懸念材料であるのだが、無論今回もそれは変わらない。 夫の実家には電車で行くと、一時間半の道のりである。 乗り換えは二回、最後は30分のバス。 30~40分でも寝てくれれば良いが、そんなに都合よくは行かない。 年明けに電車で帰ってくる際には、終盤4分の3ほど来た電車の中で騒ぎ出し、やむなくタクシーで帰ってきた。 この時年始だったからか車内はかなり空いていたので良かったが、普段は結構混んでいる線なので、混雑時の号泣は困るというかお手上げである。 お菓子やおもちゃで気分が釣れれば良いが、なかなか一筋縄にはいかない。 今回はいろいろと迷って、結局車で行くことにした。 自家用車はないので、タイムズのレンタカーである。 またいつか話したいが、このタイムズのレンタカーはものすごくよくできたシステムである。 家の周りにはとても多くのタイムズのレンタカーがあるのだが、季節柄か、土日だからか、緊急事態宣言が明けたからか、悉くレンタル中であった。 仕方なく、3駅分先の駐車場に夫が車を取りに行ってくれた。 新調していたチャイルドシートを取り付け、息子を取り付け、いざ出発。 ところで私は車の運転が、一切できない。 18の時にマニュアルで免許を取得しているのだが、一切できない。 冗談ではなく、今後有事の時にさえも私は車の運転をすることはないのではないかと思う。 そのくらい、私の機械操作や空間認識力はまずい。 なので、私は車の運転ができる人を、その点において全員尊敬している。 運転ができない、運転を代われない負い目があるので、私は車に同乗させていただくとき、文句やアドバイスをすることはただの一度もない。 絶対に邪魔しないようにと心がけている。 そうしていると眠くなって寝てしまうことが多いが。 と言うのも、車に乗っていることに真正面から向き合うと怖いからである。 これは自分が運転していなくても同じことで、何せ車幅の感覚が全然分からず、私の感覚ではすでにぶつかったりぶつかりそうになっているため、「きゃー」とか「わー」とか声を発してしまう可能性が高い。 高速道路など、時速100㎞ほどのスピードで皆が走りながら、車線を変えたり追い越したり追い越されたりしながら一度もぶつかってはいけないだなんて、そんな芸当よくできたものである。 まして、他の車が居眠りやよそ見は上の空をしていないと全員で信じて猛進するわけである。 そんな風な思考が走り出すのを交わしながら、わーきゃー言わないように毎度私は車に乗っている。 私が身体任せにわーきゃー言ったとしたら、それは運転者を驚かせ、本当に事故になってしまうかもしれない。 起きないはずの事故を自ら引き寄せるのは、無論本意ではない。 なので、車に同乗させていいただくときには、身を委ねて、信じて、楽観的平静を保つよう努めている。 今回は息子の相手をすることで手一杯であったのはかえって良かったのかもしれない。 初め30~40分くらいはぐずりながらもチャイルドシートに座っていたが、そのうちに怒って泣き出してしまった。 仕方がないので息子をチャイルドシートから下ろし、私がベルトとなって抱きかかえる。 それでももぞもぞと窓の外を見たり、床に降りてみたり、とにかく動きまくるので、私はそれに合わせて電車の歌を歌ったり、くすぐったり、そしてスマホでネットフリックスの動画を見せたりして何とかやり過ごした。 運転手も気を遣うだろうけれど、運転の邪魔にならないように子どもを制止するのも大変である。 息子は時折ちらっと見える生の電車を見つけては「でんしゃ!でんしゃ!」と嬉しそうにし、見えなくなると絶望した。 とりあえず、「あれは動画じゃないからボタン押して再生できないんだよ」と教える。 そんなこんな、息子は終始変な興奮状態で夜もなかなか寝なかったけれど、無事に帰ってきて今日は保育園に行った。 総じて心のコストパフォーマンスを鑑みると、車は良いな、と思った。 どの方法をとっても、大変は大変である。 だけれど、こういった大きめの刺激を定期的に与えていくのは息子の人生において大事なことと思う。 まあ当然のことながら、電車も良いね、という言い方もできると思うので、一長一短、いろいろな経験を親子ともども積んでいけば良いだろう。 何だかとても疲れた休日明けの月曜日は、静寂の休息日である。
0 コメント
あなたのコメントは承認後に投稿されます。
返信を残す |
勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
|