現在、アートフェア東京を開催中である。
アートフェア東京は毎年有楽町の国際フォーラムで行われる。 画廊やギャラリーと呼ばれる美術品を扱うお店が一挙に集い、数寄者やお金持ちがそれを目当てにやってくる大規模な展示会である。 展示会は最新の現代アートが多いが、例えばピカソなどの有名どころや、所謂骨董などもある。 ここ数年の私は美術品全般を観るのは非常に楽しく、怒涛の展示を行われるというのだから是非とも観に行きたい。 去年も一昨年も出向いている。 一般入場料が確か3000円だったと思うが、出展ギャラリーで買い物をした人などは招待券が送られて無料で入ることができる。 昨年、浜田浄さんという抽象絵画の画家の絵を買った友人が、私の分の招待券まで用意をしてくださった。 しかも、VIPのみが入場できる初日の特別観覧である。 入場時間の予約制となっているが、国際フォーラムの入り口は長蛇の列。 と言っても、10分も待たずに入ることができた。 中には、普段お見掛けしないような人種の人々が沢山目を光らせていた。 「人種」というのは、黒人白人黄色人種、などと使われるが、ある程度思想や嗜好やファッションや生活ぶりが似ている「人種」というのも分類可能なように思う。 「個性的である」という主張は、時に「個性的であると主張する人々」と括ることができる。 そして彼らの見た目や言葉遣いなどは非常によく似ているものだ。 もちろん調査したわけでも研究したわけでもないし、ともすれば私もそれとは「別の主張をしている人々」というジャンルに括ることもできるだろう。 いやしかし、大量の絵画や陶芸や彫刻などを見ながらすれ違う人々は、その洋服はどこで買えるのか、と単純に疑問がわくような、生地と仕立てがすこぶる良さそうなものをお召しになっている。 無論、服も、絵画や陶芸や彫刻などと同じ創作物である。 絵画や陶芸にばかり目が行く私は、本物の数寄者とは言えないのかもしれない。 アートフェア東京の出展ブースは数十あって、全部観て回るだけで大変なことである。 観たいところから順に、ざっくりと一周観て回る。 絵画や彫刻を観ていつも思うのは、「書道は工夫や書ける労力が足りない」ということである。 美術品全般、もはや、やり尽くされた技法、考え尽くされたコンセプトと共にあると言って良い。 それが多くの批評家、蒐集家、画商などに晒され尽くされている。 論文や分析の数も計り知れない。 歴史に残るもの、現代において目が出るものは、それらをくぐり抜ける意味のある美術品ということになる。 一方で書道は、現在も西洋美術とは認められていない。 それを西洋美術に乗せようという動きがここ数年である書道家の集まりにおいて勃興しているが、あまりにも壁が高いのではと私は感じている。 もちろん、そうなって欲しくないということではない。 私も、書道というものが、もう少し理解されたり分析されたりなどする”美術”になれば良いと心から願っている。 しかしながら、書道にはそれをやらない人で見る目がある人がほとんどおらず、分析家もまた同様にほとんどいない。 そのせいなのか、書道家は古典や書道団体の内輪に引き留まるのみの存在になっている。 私は、西洋美術へ食い込む前に、書道は書道としてもっと模索することがあるのではないかと思っている。 それは難しい話では全然なくて、例えばだけれど、「マジックを使った硬筆の書道」とか「色を使った書道」などを専門としている書道家さえ存在しないという事実がある。 「マジックを使った硬筆の書道」「色を使った書道」をやるべきだという話ではない。 そういった誰にでも思いつくようなアイデアでさえ試されていないような閉鎖的な世界なのだ。 書道は書道という範疇の中で、もっと言えば、抽象ではなく文字を使うという元来の縛りでも今までに見たことがない画面を私たちは見ることができるのではないかと思う。 その模索をすべきなのではないかと思う。 などといつも考えていることだが、アートフェア東京でも思ったのだった。 小津航さんという私よりも5,6若い画家さんの林檎の絵が欲しい。 月2万円のローンを組んだとして、2年くらいで変える。 アートフェア東京の中ではかなり安い。 <YouTube> 【有名飲食チェーン】筆文字ロゴ全て語りつくす!大物元テレビマンゲスト回】with板谷栄司with鯖大寺鯖次朗-#068 <note> →論文手書きが廃止!?日本最難関士業「司法試験」がCBT化へ →【リアルイベント告知】いけばなと墨流しの体験(2024/3/20(水・祝)24(日)明治神宮前)
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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