こっちゃんに連絡がつくのだろうか、と伝えたいことと聞きたいこともあって数年ぶりに連絡を取ってみた。
連絡先はEメールもLINEも分からないのでFacebookのメッセンジャーを利用してみる。 案外すんなり返事は返ってきて、伝えたいことも伝えられ、聞きたかったことも聞けた。 ここ数年こっちゃんとは連絡が取りづらいような気がしていたので拍子抜けしたのだが、たぶん安心した生活を送れているということなのではないかと思う。 こっちゃんとは、古い友人である。 このブログ上で名指しをすることはけいこ以外はほぼないのだが、“こっちゃん”と書きたかった。 “こっちゃん”そのものの人格の記憶や、“こっちゃん”という可愛らしい語感や字面が醸す何かしらの情緒があるような気がして。 こっちゃんどうしているかなあ、と会っていないここ何年かの間にも何度かは私は思い出していた。 こっちゃんと私は同級生なので、ほぼ同じくらいの年月を色々なことをしながら思いながら過ごしてきたことだけは確かである。 ピエールエルメの華々しいローズとフランボワーズのケーキをいただく。 ひとつ800円くらいするのではないだろうか。 と、気になって今調べてみると「イスパハン」というマカロンのケーキでなんと972円。 群林堂の豆大福は180円だし、うさぎやのどらやきも180円である。 ちなみに最寄りのスーパーの生菓子コーナーのショートケーキは360円ほどだったと思う。 なのに、重量は同じくらいのピエールエルメのケーキは972円。 同梱されていたクリスマスケーキのパンフレットを見ると、12センチほどの手に乗りそうな艶やかなケーキが6000円ほど。 こう考えると、洋菓子の相場価格が全般的に高すぎるのか、和菓子が控えめ過ぎるのかどちらだろうか。 洋菓子の主な材料は、小麦粉、バター、生クリーム、卵、砂糖、フルーツなど。 和菓子の主な材料は、米(小麦粉)、豆類、砂糖、果実など。 となると、バターや生クリームが高いのだろうか。 あとは製造工程の手間や使用する機械などだろうか。 お菓子を手作りした経験がほぼないのでこの辺りはよく分からない。 広告宣伝費がまず全くもって異なりそうなのは容易に想像がつく。 いやはや何はともあれ、ひとつ972円のケーキを自分では買わないのでなんともありがたい。 でもこういうのは、出来る限りフラットな気持ちで、972円だということにありがたみを感じずに食すのが正しいと私は思っている。 当然だが、高いと美味しいはイコールの関係にはない。 濃いピンクのフランボワーズの二つのマカロンの間にクリームとフランボワーズの実が並んでいる色鮮やか、艶やかな一品。 マカロンをフォークで切るわけにはいかないので、この艶やかなピンク色のサンドイッチにがぶりとかぶりつく。 それは、こっそり忍び込んだお母さんのメイクルームで、高級なお母さんの薔薇の化粧品を食べているかのようだった。 中にはライチのクリームも入っていて、やはり高級なお母さんの乳液を舐めてしまったような、そんな心持がした。 おそらく薔薇の香りは私にとって食べ物の認識がやや低いのだろうと思う。 全くの新しい感じなのであればもっと素直に受け止められたのかもしれないが、既に記憶に別の方向性で先入されているものを味覚完全優位に感じることはやや難しいということだろう。 決して美味しくない、というわけではない。 慣れていないだけだと思う。 参入障壁を越えるに至ってないと言っても良い。 このことは、他のいろいろなことにも当てはめることができる。 ジャズや花やプラモデルや氷細工やリリアンなど何でも、楽しみ方というものがある。 楽しみ方を知って、最初は分からなかったことが分かるようになったり、徐々に面白味を感じる幅や深みが増してくるということもあるだろう。 まあその参入障壁を越えるべく行動ができるか否かは選択次第であるが、ファーストインプレッションで排他してはならないと思う。 ちなみに、以下はピエールエルメHPのこのケーキの説明文である。 もはや一つのお菓子のレベルを遥かに超えて、“味覚の喜び”そのものを象徴するような絶品で、口に入れた瞬間にえも言われぬワンダーランドがよみがえります。ふんわり感とさくさく感の両方を兼ね備えた薔薇色のマカロンコックの中から、堪らないほど蠱惑的な味のコンビネーションが湧出してきます。そこでは、シャキッと爽快なフランボワーズで盛り立てられたライチの華やいだ風味が、とろけるほど甘い薔薇クリームと絶妙に融合しています。高揚感あふれるテーストに甘酸っぱさがミックスして極めて多様なトーンが発揮されるのです。イスパハンの完璧なハーモニーを存分にご堪能あれ。 女性雑誌もそうなのだが、洒落ているようで芯を食わない感じがするのがなかなかに面白い。 さて今日はけいこと新国立美術館で待ち合わせである。 歩いて行ける場所ができてうれしい。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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