電車族の息子は、電車を見たり、電車に乗ったり、電車のおもちゃで遊ぶことが大好きである。
好きなことがあるというのは素敵なことだ。 しかし毎日の保育園の行き帰り、電車の方に行くと暴れるので母は少し辛い気持ちもある。 保育園のお休みの日は、電車に乗りに行く。 息子は自分の思うままに電車に乗ったり降りたり、見たり、エレベーターやエスカレーターに乗ったりしたい。 しかし、そうするとどこに連れて行かれるか、全然分からない。 昨日は、成り行き任せに都電改め東京さくらトラムに乗ったら、これまでにない大興奮を見せた。 路面電車は発車時に「チンチン」と音が鳴る、これが大層気に入ったようだ。 地元の路面電車は「チンチン電車」と呼んでいたが、これは方言ではないだろうか。 どうせすぐに降りるだろうと、終点まで2駅のところで乗ったのだが、終点に着いても「絶対降りない」とばかりに手すりにしがみついた。 しかし折り返し運転で、一度扉は閉まってしまうので無理やり手すりから引きはがすと、息子は私の眼鏡やらマスクやらを引っ張って大暴れした。 それだけでも十分に辛いけれど、こういうとき、本当に引っかいたり噛みついたりしないのは息子なりに手加減をしながら暴れているということだろう。 私は眼鏡がずれたので、暴れる息子を夫に託すとさらに大物のマグロを釣り上げたかのような大暴れをした。 「じゃあもう一回乗ろう!!!!」と錯乱中の息子を抱えて向かいのホームに移ったら、運転手さんが東京さくらトラムのステッカーをくれた。 先日も西武線で西武線のカードをもらった。 街は子ども優しいなあ、と私はしばしば思う。 もちろん、地面で寝転んでストライキをしている子どもがいれば、皆じろじろとこちらを見てくるのだが、まああの姿というのは言わば子どもという生物の風物詩のようなものなので、私はあまり視線も気にしてはいない。 双方の安全には気を配らないといけないけれど。 東京さくらトラムでずいぶんと遠くまで行き、「降りる」と言った駅にJRの路線があったので、そのままJRで帰路を目指す。 昨日JRは大騒動で運休が相次いでいたようだが、夕方頃には電車は動いており、なぜかかなり空いていて助かった。 やはり電車に乗ることを覚えると、地下鉄よりは地上を走る電車の方が当然面白い。 家にあるプラレールと一緒の列車が走っていたり、新幹線や特急なども見られるのは楽しいだろう。 プラレールと言えば、西武線の駅のコンビニに、西武線列車のプラレールコーナーがあって、息子があまりにもそこに釘付けになるものだから、西武線列車を買ってしまった。 2800円ほど。 高い。 しかし、息子はプラレールの長い箱を離さずに歩いてくれたし、昼食時もそれを眺めて遊んでくれ、家に着いてから開封すると「みてみてーでんしゃーー」と本当に嬉しそうだった。 床に寝そべり張り付いて、プラレールの電車をそれと同じ高さで愛でていた。 好きなことがあるのは素敵だ。 2800円は素敵代、ということにしておこう。 話は変わるが、生徒さんの中にパティシエの方がいて、創作ウェディングケーキのコンクールに出るということでその相談にしばらく乗っていた。 何度か制作途中のケーキを送ってきてくれて、ティーカッププードルの位置とか文字のバランスなどを簡単にアドバイスしていた。 昨日ようやく完成したらしく、その写真を「寝ます」というメッセージ付きで送ってくれた。 全体はパステルピンクで、レースや薔薇のあしらいがとても繊細で、ティーカッププードルが上目遣いしているところがとても可愛らしかった。 バランスも完璧と言って良いのでは!という出来栄えだった。 集中すると時間を忘れるタイプの方だが、きっと夜通し、朝になってもやっていたのだろうなあと思う。 好きなことや集中できることがあるのは素敵だ。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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