先日書いた行事ごとへの薄いプレッシャーについて、昨日はそういえばバレンタインデーだったわけだが、何事が起こることもなく通り過ぎていった。
夫からではなく、あくまで自分自身への薄いプレッシャーは確かにあったのだが、それでも何事が起こることもなく通り過ぎていった。 まあ、夫は香り高い高級なチョコレート全般が苦手だし、息子にはチョコレートはまだ時期尚早である、という理由が最も大きいということにしておくが。 私自身はチョコレートは好きなので、わいわいと買ってわいわいとあげて、わいわいと自分が食べるのもひとつの手だったかもしれない。 それは浅ましい感じもするけれども。 行事ごとに対するハードルを自分で上げながら、いざ当日になるとすこんとそのことが抜け落ちて忘れてしまうという何ともアンバランスな感じがしばらくは続きそうな気がする。 さて、今日は本題がある。 先日初めてベビーシッターを利用してみた、という話である。 ここは書道家竹内恵美子のブログだが、ベビーシッターの話である。 そもそも、このブログにおいて書道ネタを書いている割合は2,3割だし、私の個人HPなのでブログで好きなことを書くというのはもう10年以上も前からの話である。 ベビーシッターは前々から一度利用してみたいとは思っていた。 私は個人事業であり、夫も休日出勤があることもあり、息子が同席してのレッスンは時によっては難しいことがある。 けいこを呼ぶことも、姪を呼ぶことも、当たり前だが叶わないこともある。 しかしながら、息子をひとりで置いておくことは不可能であるから、万一に備えて日常から安心できる方策を増やしておきたいというのか目下の課題であった。 とはいえこれまでは何とかかんとか、けいこの手をほんの時々借りるくらいで何とか夫婦二人で賄えてきたのであるが。 いくら都会でベビーシッター制度が充実しているからとはいえ、急な仕事の都合で、初めての方に都合よくシッティングをお願いできるかと言えば難しいだろう。 当然ながら私も息子もシッターさんも人間だから、相性というものもある。 とにかくいずれにしてもベビーシッターというものを利用してみる価値はあるだろう、と思っていた。 ベビーシッターの利用については、 ・息子が一人きりになるというどうにもならない状況が案外なかなか訪れず、何とかやれてしまうこと ・金額的に安くはない(もちろんベビーシッターにはそれなりのお金がかかり、金銭的な面から言えば自分がそこまでして仕事をする意味があるのか) という2点が主な理由で、子育て中でも利用したことがある人はそんなに多くはないだろうと思う。 そういえば区の主催するベビーシッターネットワークにも登録しているが、まだ一度も利用したことがない。 区の制度はべらぼうに安いのだが、事前に顔合わせが必要であったりなどいろいろと制約が大きいのもネックである。 今回なぜいきなりベビーシッターの利用にふん切れたかと言うと、Instagramで個人で精力的に活動するベビーシッターさんを見つけたからである。 Instagramの投稿記事も非常にInstagram的で上手く、フォロワーもたくさんいらっしゃって、記事内容に共感でき、貫禄がある。 なんとそこにモニター利用で、通常は3時間パックのところを2時間で利用でき、さらに次回30分無料券がもらえる!というキャンペーンにつられていそいそと申し込んでみることにしたのである。 ちなみに、何かの組織やシステムを通さずに個人的に依頼すること、ましてや自宅に招き入れて自分の大事な子どもを預けるということに躊躇してしまう人もいるとは思うのだが、私は自分の仕事の性質上そういうことはまったくない。 オンライン上の発信情報しか頼りにすることはないのだが、ある程度発信情報の量があれば粗方の信頼性は得られるものだと思う。 インターネットと切っても切れない、いやもう最重要の宣伝ツールであると言っても過言ではない昨今においては、HPやSNS等は更新頻度がまめである方が良い。 とにかく今現在息をして、活動しているということを示すべきである。 できれば長年やっている方が良いし、淡々と息切れせずに情報発信をしていることは何気に大きな信頼につながるだろう。 特にSNSは見知らぬ個人宛にDMを送るハードルもかなり低くなっているので、あとは直接のやりとりをすれば良い。 先月から予約をして、いざ当日。 子どもというのはそういうものなのだろう、風邪気味である。 予防接種も区の検診もあるというのになんてことだ。 とりあえず予防接種の可否のついでに小児科の診察を受けることにした。 熱はなく「ただの風邪」という文書をいただいたが、予防接種は念のため延期、検診も延期になってしまった。 あぁまたこのためのスケジュールを立てねばならぬのか。 その旨をすべてベビーシッターさんにお伝えする。 このベビーシッターさんは病児対応もしていらっしゃるのだが、発熱がないので病児にはあたらず通常シッティングできます、でももし心配でしたら別日にすることもできます、とこちらの立場に立った優しい返信が素早く返ってくる。 レスポンスが早い、というのも信頼獲得のベースだろう。 仕事を受ける側からすると、当日キャンセルは仕方のない理由だとしても、悲しいし脱力する。 なるべくそれはしたくないなという思いから、ルール上この風邪ひき君でもOKであるなら決行しようとお越しいただくことにした。 ちなみにこの日はなぜか夫も休みをとっており、人手が足りなくてシッターさんを召喚するという趣旨とはかけ離れた状況になってしまった。 でも、両親でシッターさんに挨拶できるのは良いことだと思う。 Instagramの記事内容は貫禄があり達観されたような内容が多いことから、シッターさんはそれなりに年配の方だろうと思っていた。 しかしこんにちはと直前のお電話ではお若そうな声である。 実際の年齢は私よりも3つ若く、柔らかな印象の女性であった。 最初に手洗いうがいとお着替えをなさって、様々な確認事項をヒアリングされた。 息子は基本的に人見知りなので、私のところにまとわりつきながら少しずつシッターさんに距離を詰められていった。 普段息子とふたりでいるときになかなかやることがなく、遊び方法に困っていたので、遊び方法をいくつか教えていただく。 簡単な遊びも、片付けること面倒で付き合ってあげることができないことが多いのだが、ペンや絵の具などは楽しめるお年頃なので、これを機に面倒を買ってもっとやってみても良いだろう。 シッターさんが息子と遊んでいる姿を見て思ったのは、当然のことかもしれないけれど、もっとしっかりと腰を据えて子どもと向き合わないといけないのだなあ、ということだった。 1歳半ではまだまだ大人も楽しめるような遊びはほとんどないと言っても良い。 だから遊ぶのであれば覚悟を決めて、短くてもその時間は自分の全てを捧げて、何の片手間でもなく遊んであげることが必要なのだと思う。 あとは、できうる限り簡素な動きで、思うよりももっとずっとゆっくりと。 子どもの集中力は5分と持たないので、何種類もの遊びを用意して。 やることの内容は簡単なのだけれど、実際にこれはものすごく体力と精神力を消耗することで、子どもに付き合うということは本質的に本当に難しいことだと思う。 まずは一日一回15分でも30分でも、こういった時間をとってみようかと思う。 ただ息子のいる日々は濁流なので、数日前に心に刻んだはずのことを今整理して書き出すまで忘れていたのだが・・・。 2時間のシッティングの間、わらわらといろんなお話をして、途中そっと私が抜けだしてみたり、最後20分ほどは夫と二人でそっと抜け出して、近所のコーヒーショップでコーヒーをテイクアウトして家に戻った。 二人ともいなくなったことに気づいた息子は少し泣いたようだが、シッターさんは上手く場面を切り替えてくださっていた。 その後、個人でベビーシッターをされている方はそんなにいないと思うし、私の仕事の形態と似ていると言えば似ているので、少しお話を伺った。 お帰りになった後も、個人ベビーシッターという職業について思いを巡らせていた。 まず風邪をひいたら本当に大変なことになるなとか、移動時間を含めるとどうしても高額になるなあとか、移動しない個人ベビーシッターをやるにはどうしたら良いだろうかとか、どういう人がベビーシッターを利用しているのだろうかとか、新しい利用層を作るにはどうしたら良いだろうかとか。 とは言え、私は自分の仕事においてあまりそういったことは考えてはいないのだけれども。 ひとつ思いついたのは、ぜいたく品としての個人ベビーシッターなので、誰かにベビーシッター券をプレゼントするような文化ができると良いのではないだろうか、ということである。 普段はなんとかやれていても、2、3時間のシッター券がもらえるなら是非!という方は多いだろう。 友人や親族からこんな券が届いたのなら、私なら嬉しくて飛び上がってしまう。 あるいは、夫から妻へ、妻から夫へ、誕生日プレゼントでも良いだろうし、結婚記念日の互いのプレゼントでも良いかもしれない。 そしてまた、高いけれど自分でもシッターさんをお願いしたいと思う。 その一番の理由は、子どもは普段と違う人と2時間以上同室にいると何かしらの成長がある、と思っているからである。 これまでの経験則で、何かはわからないし、すぐには効果は出ないのであるが、何かは必ず変わっていくのである。 家には生徒さんがたくさんやってくるけれど、そのときは私と離れて夫と待っている時間なので、そういうことではなく他人とのコミュニケーションを増やしていきたい。 何についても言えるけれど、人間関係は一度ではできないし、何度か時間をかけることで構築されたり分かったりすることがあるものである。 おばあちゃんの家に行くのも、いとこに遊んでもらうのも、やはり定期的にやっていきたいし、その一環としてシッターさんを召喚するのもやっていければと思う。 私自身色々考えさせられて、とても良い経験となった。 言うまでもなく、今回のシッターさんのお人柄がそうさせたと思う。 最後に、今回お願いしたシッターさん情報です。 ◇Instagramアカウント @irairaikuji_byebye 保育士 山崎歩美さん
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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