引っ越しに伴い、作品の整理を行う。
年末にも少しやったけれど、今回はもっと奥まで、過去まで。 ブルーハーツやハイロウズやくるりやゆーみんなどの歌詞を書いたものがわんさかと出てくる。 一枚数百円もの紙を使っていたり、至極面倒な紙継ぎをしていたり。 今思えば、創作意欲に満ち溢れているというよりかは、自分の心を引っ掴まれたものをただただ書きたかったのである。 ”書道”を志していたのではない、写経にハマっていた、と言うのが一番正しいと思う。 この頃に書いたものは同じ題材を複数枚書くということが少なかった。 字を練り上げたり、空間を調整することもほとんどなかった。 とにかく“今、この瞬間、私が書いた”ということだけに、何より私自身が心酔していたということだろう。 ちなみに今はたった4文字ほどを時に50~60枚書いたりする。 書作は日記の代わりになるので、色々とあの頃の気持ちや匂いを思い出す。 あの頃、4年ほど前の私は実に頭が飛んでいた。 阿呆な意味で、無敵だったかもしれない。 自分で思い返してみても、他人から見ても、たぶんものすごく変だったのではないかと思う。 しかしながら数年経った私は、あの頃の作品を観ながら、何て浅薄な線を引くのだろうと思う一方でとても愛おしく思った。 ちょっとだけ羨ましくも思った。 ついでに、書は本当に上手くなったなと思う。 まだまだ全然マジで本当にダメだとも思う。 本格書道からすれば不味い作品たちを選り分けながら、涙がこぼれそうになった。 それがなぜなのか、判然としない。 過去の私と全く同じ気持ちをもう味わえないだろうことへの落胆なのか、今の私への後ろめたさなのか、そんなところだろうか。 あの頃の噴火のごとき体験は、私の中の土台としてとても大きなものを築いた。 脈々と続いている時の中で、大きな旗を立ててきた場所のことを振り返って、私はまた書きたくなった。 もう遊びでしか他人様の歌詞は書かないと思う。 シンプルイズベスト、というようなものも今の私としては違う。 何を書けば良いのか、それが今の課題である。 夜、依頼を請けているとある学校の校歌を書く。 たいそうなことである。 こんな辺境なHPから、ぽつぽつと依頼をいただくことが増えてきた。 ちゃんとやっていこうと思う。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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