Yakitoriが食べたいというウィニーを連れて深夜、私たちはロングタイムを経て再会した。
ウィニーはよく喋る子で、私は英語だとよく喋る子にはなり得ず、なんとかかんとか会話をした。 日本が大好きで、年に1度くらいのペースで来ているらしい。 これまでにも何度かフェイスブックで私を探したけれど見つからなかったようだ。 16年ぶりなのね。すごく長い時間だわ。 そうね、でもあのときとまったく変わってないわ。 そう?あなたもよ。 お母さんは元気?お兄さんは元気?妹さんは元気? 元気元気、妹は今2人の子どものお母さんよ。 日本の焼き鳥にセブンペッパーをかけて食べるの最高だわ。でもネギは要らないわ。マレーシアの焼き鳥は小さいの。 卵かけごはんを食べたことないならぜひ食べてもらいたいわ。 生卵は苦手よ。あと納豆もね。 マレーシアのファイアフライ、もう一回見たい。 今は手漕ぎでなくてモーターボートよ。 訳すとなぜか海外ドラマ調の言葉づかいになってしまう。 きっとまた、東京か愛知かマレーシアかシンガポールかどこかで会うだろう。 外人さんとするハグは、向こうはナチュラルだろうけれど、やっぱり私の文化には通常ではないので、お、ハグ、とふっと構えてしまう。 ゴールデンウィークの初日、懸念していた新幹線は随分と空いていた。 乗車率7割程度と行ったところだろうか。 上の姪は私の膝に座って、飲むヨーグルトを開け、そして私のスカートにこぼす。 まったくもう、と思いながらお母さんであるいもうとが怒っているので私は、わざとじゃないもんね、いいよ、と言う。 最寄り駅に降り立つと、日差しは紫外線の強さを感じさせるものだったけれど、冷ための風が猛烈に吹いていた。 飛ばされそうな姪の手を握って風に向かって、きゃー、とわざと言いながら走る。 けいこのマンションに着くと、珍しくつるりと部屋が片付いていた。 ごはんの準備もそこそこにしてあって、モンラパンのケーキまであった。 茹でただけのホタテや、切っただけのきゅうりとトマト、焼いただけの鮭、片栗粉をまぶして焼いただけの鶏肉。 さすがに海が近いだけあって茹でただけのホタテも焼いただけの鮭もとても美味しいし、醤油やらドレッシングもあるからいいのだけれど、下味の役割を認識していないのは少し前までの私と一緒だ。 関東煮と里芋の煮物は味がきちんとついていた。 関東煮、とは愛知や静岡あたりでは「かんとに」と呼んでいるが、関西では「かんとだき」と呼ぶらしい。 かんとには、関東風、と中部・関西地方の人が認識しているおでんであって、関東おでんよりも少し味が薄く甘めのようだ。 ちなみにその名を広めている出汁粉をかけて食べる静岡おでんとも違う。 愛知と言うと、味噌味噌と言われるが私は味噌おでんはそんなに好きではない。 関東煮の方が断然好きだ。 昆布がたくさん入っていて、大根がくたくたになるまで煮込まれた関東煮はとても旨い。 美味しい!というより、旨い!という感じ。 ちなみに今回、お昼ごはんにうなぎを食べにも言ったけれど、ひつまぶしではなくてうな重だった。 このあたりは本当に名古屋の文化と違うし、私は名古屋のことが全然さっぱりわからない。 それにしてもうな重はとっても立派で、とっても美味しかった。 甥とか姪とかは相変わらず有り余るエネルギーを放散させに走り回っていた。 朝7時くらいから本当にうるさい。 まあおそらく私たちもそうだったのだろうけども。 お外で遊びたい、のは当然のことで、私は久しぶりにたくさん日を浴びたけれど、やはり陽射しが苦手でとても疲れてしまった。 昔からそうだけれど、暑いのは平気でも直射日光がダメなのだ。 軽い日光アレルギーで発疹ができることもあれば、異様に体力消耗をしてしまう。 冬生まれ、日光嫌いの夏好き。 92歳になる祖父と3歳の姪は芝生の禿げた庭で仲良くしていた。 祖父は腹に力も入らないし、耳も遠いし、軽い脳梗塞をしてから言葉が出づらい。 92歳と3歳児は、なんだか会話のレベルがちょうど良いようで、傍目からは普通のように会話していた。 いもうとが下の子を連れて同窓会に出掛けたので、けいこと上の姪と一緒にレストランに出かける。 この時期、低い山々に囲まれているこの辺りのドライブは爽快で、山が笑っていて新緑が萌えている。 藤の花が八分咲きで、緑や黄緑の中に淡い紫がたわわになって美しい。 食いしん坊の姪は、いつもはいもうとにもう食べちゃダメと制限を食らって、もっといっぱい食べる!という押し問答を繰り返すのだが、今日はおばあちゃんとおばさんだけだから好きな分だけ食べて良いよ!と言ったら、張合いのなさなのかなんなのか、いつもと同じくらいしか食べなかった。 勉強しなさい、と言われれば言われるほどそのやる気を失くすというようなものだろうか。 となるとおそらく、姪が欲しいものは食べ物ではないという面もあるだろうと思う。 あるいは大人と同じものを頼んだので、味付けがさほど好みではなかったということも大いに考えられるけれど。 そしてまあいつもと同じくらいの量は食べたのだけども。 さて滞在丸2日を過ぎて、彼らは親戚の家に出かけていった。 時間的に行っても良かったけれど行かなかった。 ピアノを触って、テレビのフォーク番組で小室等さんと谷村新司さんの対談やらデュオやらを聴きながら、寝転がってスマートフォンでブログを書いて、実家に群生していたノースポールの写真をロック画面の待ち受けに替えて、帰りの新幹線の時間をを待っている。 夏みかんでも食べよう。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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