1歳を超えて未だどろどろとしたものしか食べられない息子を心配して、保育園から話があった。
一般教科書的には離乳食を完了している時期で、もう柔らかめで刺激物でなければ大人と同じように何でも食べても良い時期なのに、まだ離乳食中期頃の感じなのは遅れが気になる。 入園して2か月以上が過ぎて、園でもやれることをやってきたが、ほとんど進歩がないので、もしかすると飲み込み、嚥下に異常があるのかもしれない。 1歳半の通常検診までまだ時間があるので、もし何かわかるのなら早い方が良いし、何か手だてがあるのであれば早いうちに取り組みたい。 噛むことや飲み込むことは脳や身体の発達にも大切だと思う。 一度、小児科や嚥下の専門家、耳鼻咽喉科などを受診してはどうか。 ざっとこんな内容であった。 仰っていることはとてもよく分かるし、ごもっともであると思う。 私も状況はよく分かっているが、以前離乳食を始めてから、離乳食をほとんど食べない、ミルクも全然飲まない、おっぱいも出ない、便秘もひどい、体重が減った、という時期を経験しているので、今はどろどろでも何でもカロリー的にはしっかり足りているはずなので、私としてはゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせていた。 しかしながら、9ヶ月検診の際お医者さんから言われたときもそうであったが、人から指摘を受けてしまうと本当にずどーんと重たいものが心に来る。 私は頑張っているつもりなのだけれど・・・・・と一気に自責が大きくなる。 他のお母さんはもっと上手にやっているのではないか、日々教えるということを怠っているのではないか、私が手抜きしているからではないか、サボっているからではないか、これまでも何度もそう思ってきたが、やはりまたそう思ってしまう。 もちろん完璧にやっている自覚など毛頭なくて、本当に頑張っているつもりの傍らで適宜手を抜きまくっているので、その罪悪感が他人からの発言により、自責へと変わるのである。 何だろうか、本当にずどーんとなるのである。 落ち込んで俯いてしまうのである。 とはいえ、最近息子は食べられる種類も量も増えて、見事な快便である。 元気そうだし、息子本人は困っていなさそうである。 ひきわり納豆やひき肉くらいのサイズは食べるし、蒸しパンや赤ちゃん用のかっぱえびせんなども食べる。 しかしながら確かに、バナナも一口サイズに切らないと食べないし、うどんなど細かく切ってももぐもぐできないし、齧る、咀嚼する、ということがまだ分かっていない。 これは受診に値するのだろうかと思いつつ、検診を受けた小児科は育児相談も行っているということだったので、予約して行ってみる。 9か月検診のときは怒られたように感じたのだが、今回先生は優しく感じた。 ひと通りの状況をかくかくしかじかと伝えると、「なぜ1歳検診ではなく1歳半検診なのかというと、1歳前後の時期は成長にとてもばらつきがあって、様々なことのできるできないの差が激しいからです。うーん、いろんな子がいるからね、まあ個性の範囲で良いと思いますけどね~個性よ、個性!!」とがははと明るくおっしゃった。 「喉までは分からないけれど、口や歯や顎などは見た感じ全く問題なし、体重を計ってもかなり順調に伸びている、1歳半検診まで見ましょう」ということだった。 私は先生のお墨付きをもらって、胸をなでおろした。 あぁよかった、と今朝保育園に報告したのだが、保育士さんはまだ困った顔をしていた。 要は、10月以降は園児が増える可能性が高く、今までのように特別対応が難しくなるかもしれない、ということだった。 なるほど、それが伝えたかったのか。 保育園としては、みんなと足並みをそろえたいし、できれば小学校前にひと通りの自立を目指したいということのようだ。 もちろん、それはその通りであるし、有難い前向きな姿勢である。 やはりこのままではいけないのか、とまたずどーんとなって送りの帰路についた。 ネット検索をすると、嚥下の専門は歯科と耳鼻科とのことだったので、友人の歯科医にlineで相談してみる。 状況をかくかくしかじかと話すと、「専門分野の接触嚥下の先生に聞いてみるから待ってて」とすぐに話をしてくれた。 摂食嚥下、思わぬ専門用語が出てきて少々驚いた。 ミルクやペーストが食べられるのであれば、嚥下機能自体に問題があるとは思えない、多少飲み込みが下手とか筋力が弱いとかあるかもしれないが、嗜好の問題かもしれない。 どこを受診してもその状態ならゆっくり慣れていってください、となると思う。 歯も生えそろうのに年単位の個人差があるから、平均といっても現実的にあてにはならないこともある。 とのことだった。 まあそうだよね、と思いつつ、専門分野の話が聞けてまた少し私の心は軽くなった。 病院にかかるような嚥下の問題というのは、ミルクも吐いてしまったり、先天性の奇形があったり、手術などの影響で長い間口から食べていないなど、もっと重度の問題らしい。 気持ちは晴れないけれど、何とか息子にもぐもぐと咀嚼することを覚えてもらえるよう、また新たに工夫してみるしかない。 先日ちゃんこ料理屋で鶏団子を少し食べたから、もっとふわふわに柔らかく作ってみたら食べるかもしれない。 さっそく鶏ひき肉とはんぺんと片栗粉と卵を練って、鶏団子を作った。 一歩ずつ進んだり戻ったり、たぶんそれしかやり方が無いのだと思う。 一日一段ずつ階段を上れれば良いのだが、そうもいかない子もいる。 大人は少し遅い時間に夕食となるので、ひとりで食事をさせるのもよくないのかもしれない。 私も一緒に食べたほうが良いのだろうか。 しかしながら、当人は現状で何も困っていないのに、周りの人たちが頭を悩ませているなんて、なんだか可笑しな状況だと思う。
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勿忘草
無論書道のこと、否応なく育児のこと、などの雑記です。文字自体も好きですが、文を書くのも好きです。 カテゴリアーカイブズ
3月 2024
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